あなたならどれを選ぶ!?新たな技術で進化を遂げる高機能型Web接客ツールの新潮流

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ECサイトやECショッピングモールへの出店など、オンライン上で接客を行うビジネスにはたくさんの利便性がありますが、現実店舗には敵わない欠点も存在します。それは、サイトに訪れたユーザの顔が見えづらく、顧客ごとの状況に合ったコミュニケーションや接客が取れないという問題です。

従来からあったそのような問題を解決してくれる「Web接客ツール」の存在は、皆さんはもうご存知でしょうか。FlipdeskやKARTEが出てきた2014年頃からよく耳にするようになったWeb接客ツールという言葉ですが、最近ではITの技術革新が進み、「多機能化」と「AIによる自動化」の2つの流れのもとWeb接客ツールは新たな変革を遂げようとしています。

この記事では新しい潮流を作る3つのWeb接客ツールを紹介しながら、最新の動向と今後の課題、さらにWeb接客ツールの導入を検討しているWeb担当者が、どのツールを導入すれば良いのかなど、各媒体の特長や選び方のポイントを見ていきたいと思います。

Web接客ツールについて詳しく知りたい方はこちらの過去記事も併せてご覧ください。

1.Web接客ツールを選ぶポイント

非対面というECビジネスの特性上、ユーザのニーズはサイト運営者に届きづらく不安を感じやすいものです。そんな課題を解決する1つの手段として「Web接客」という言葉が出てきました。当初は特定のユーザごとにコンテンツを入れ替えるLPOやお客様と直接コミュニケーションを行えるチャットツールなどが流行り高い効果を発揮しましたが、導入までの手間や工費がボトルネックになっていました。

「効果は認めるが費用や手間を考えると導入には踏み切れない」という広告主からの声が多い中、登場したのがここで取り上げるWeb接客ツールです。Web接客ツールの強みは、ユーザのアクセスログなどの行動データをもとにユーザをセグメントして、顧客ごとのコミュニケーションを自動で展開するところにあります。
ツールの導入費用と運用工程で発生する手間は気になるところですが、これから紹介するWeb接客ツールはどれもそのような問題をクリアしており、運用に手間をかけられない多忙な事業者や費用面にシビアな事業者でも比較的簡単に導入が可能です。また、運用面でもサポートプランのあるWeb接客ツールもありますのでコンサルタントと二人三脚で効果改善に取り組むことにより、「CVR」「顧客単価」「購入単価」など、Webサイトの様々なKPIを改善することができます。

導入までの基本的な工程ですが、大きく分けると「①タグをサイト全体に設置する」「②Web接客シナリオを作成する」「③ユーザに向けたクリエイティブを作成する」の3つに分類できます。もちろん、初期設定だけでなく効果が悪ければ新たにシナリオを作成して軌道を修正していく作業は必要です。しかし、設定作業にWebデザインの知識を必要としないので、担当者は手間をかけずにPDCAを回すことが可能になります。

 

2.Web接客ツールを導入して成果が出やすい業種は?

総合通販やアパレルなど商品点数の多いECサイトがWeb接客ツールの得意分野ではありますが、最近では不動産や人材系・金融系などのECではないWebサイトへの導入も増えてきており、単品商材でも高い効果を発揮するような事例も増えてきています。例えば、単品商材だけの簡易的なサイトでも、ユーザの滞在時間やLPのスクロール、離脱率が多いポイントなど顧客分析を行い、足りないコミュニケーションをWeb接客ツールで補うことで十分お客様のニーズをつかむことが可能です。

Web接客ツールで実現できることは大きく分けて3つあります。この3つの組み合わせにより、ユーザのニーズを即座に把握したり、ユーザの疑問をその場で解決したりといった、実店舗にも劣らないリアルタイムな接客が可能となります。次からは、筆者が特におススメする厳選された3つの高機能Web接客ツールについて見ていきます。

3.【Web接客ツールその1】人工知能でCVRと顧客単価をスピード改善する無料Web接客ツール『ecコンシェル』

ecコンシェルは後発ながらも、サービス開始から約1年半で導入社数5,000社(2018年1月時点)を突破したWeb接客ツールです。(※)

株式会社NTTドコモが提供する高性能AIを搭載したWeb接客ツール「ecコンシェル」は、株式会社 PKSHA Technologyと共同開発した国内屈指の人工知能(AI)技術を導入しています。ウェブサイト内のアクセスログや購買履歴など様々なデータをもとに高性能なAIが機械学習/深層学習を行い、自動でお客様の行動にあわせて1人ひとりに最適な商品やキャンペーンをご案内することで、手間なくWebサイトのコンバージョン率を高めることが可能なサービスです。

(※)引用:https://twitter.com/web_antena_ten2/status/953877027492388864

ecコンシェルの料金は?

ecコンシェルは、2018年5月1日に新料金を発表しました。従来からある永年無料のフリープランと、月額4万8,000円からのエンタープライズプランに加え、新たに9,800円で利用できる使いやすさを考慮した「スタンダードプラン」が追加され、3つのプランで新規導入を検討している担当者が簡易に導入できるようなプラン仕様になっています。
ツールの中では後発であるecコンシェルは、短期間で顧客導入数を大幅に伸ばしており、株式会社NTTドコモの抜群の知名度とブランド力のもと、高い機能性を武器に2018年もさらに躍進を続けていくでしょう。

<料金表>

ユーザ行動が見える新機能「ユーザーフロー」をリリース

これまでのダッシュボードは、サイト全体のゴールとしてキャンペーンの配信割合、売上金額、コンバージョン結果を表示してきましたが、Web接客による途中経過の効果を把握することは困難でした。新ダッシュボード「ユーザーフロー」では、AIDMAの考え方に基づき、中間ステップを「フィルタ」として設定し、最終的なゴール「コンバージョン」に至る間、どれだけ中間のコンバージョンを経由したかユーザ行動を定量的に計測することができます。
※「ユーザーフロー」のフル機能をご利用いただけるのは、エンタープライズプランのお客様のみとなります。

こんな人におすすめ

ecコンシェルは、Web接客の「サイト訪問者の分析」「ユーザの分類」「適切なコンテンツ訴求」を、AIが自動でABテストを行い最適化するので、通常は人が行う「レポートを比較しながらシナリオを修正する」といった手間を省くことができます。自動化された分、PDCAを高速で効率よくまわすことができるので、運用にあまり人的コストをかけられないといった環境の人におすすめです。

ecコンシェルの特徴

  • 導入社数5,000社(2018年1月時点)
  • CVR改善に特化している
  • 「PKSHA Technology」と共同開発したCVR改善AIを搭載している
  • 人工知能が自動で行うA/Bテストによりシナリオの最適化が可能
  • 人工知能がABテストに最適なバナーを自動的に作成するオートクリエイティブ機能※エンタープライズプランのみ
  • 導入後もシナリオ設定や効果検証などをお手伝いする運用サポートオプションがある
  • 永年無料で利用できるプランが用意されている

4. 【Web接客ツールその2】訪問者をリアルタイムに可視化し、お客様1人ひとりへのウェブ接客を可能にする『KARTE』

2015年3月に正式リリースした株式会社プレイドのWeb接客ツールKARTEは、Webサイトに来訪したユーザがどのような人なのか訪問者をリアルタイムに可視化、その結果お客様1人ひとりにあわせてメッセージ配信やチャットなど個別のコミュニケーションが可能です。KARTEはこれまでのWeb接客ツールにないリアルタイム解析に加え、あらかじめ設定することで会員IDとの紐付けも可能になり、デバイスの壁を超えて必要な情報を適切なタイミングで自動的に提案することができます。
LINEやFacebookメッセンジャーなどのコミュニケーションツールとも連携可能。サイト内外問わず、ユーザに最適な情報を提供するためのCX(顧客体験)プラットフォームを目指しており、顧客の感情がわかる「スコア」や、顧客の行動を動画で見ることのできる「ライブ(仮称)」などのサービス提供を2018年夏ごろに予定しています。

KARTE for Appについて

2018年3月19日よりiOS、Androidのアプリ向けに新たに提供を開始した「KARTE for App」は、アプリを利用する顧客の行動をリアルタイムに解析し、ユーザごとに最適なアプリ内メッセージやプッシュ通知の配信などが可能です。
また、Webサイトを解析する「KARTE」との併用も可能で、共通の管理画面からウェブとアプリ双方のユーザ行動の可視化を行い、ウェブとアプリを横断したあらゆる顧客接点での統合的なコミュニケーションが可能になります。すでにファッション通販の「ZOZOTOWN」や料理レシピサイトの「クックパッド」などが導入を決定しており、これまでのWeb接客ツールとしての使い方だけではなく、新たな顧客体験プラットフォームとしてさらなるKARTEの利用拡大が見込まれています。

経産省の補助金により、半分のコストで導入可能に

KARTEの運営会社である株式会社プレイドは、2018年4月5日に、高機能Web接客ツール「KARTE」が、経済産業省が推進する2018年度の「サービス等生産性向上IT 導入支援事業(通称:IT導入補助金)」の対象サービス(IT導入支援事業者)となったことを発表しました。
IT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者がITツール(ソフトウエア、サービスなど)を導入するため経費の一部を補助してくれる制度で、資本金5,000万円以下、従業員数50人以下の小売業者が対象となります。2018年度の申請受付期間は4月20日から10月上旬を予定しており、この制度を活用することによりKARTEを新規で導入した事業者は最大50万円の補助が受けられます。

交付規定:https://www.it-hojo.jp/h29/doc/pdf/h29_application_rules.pdf
IT導入補助金特設ページ:https://karte.io/it-hojo.html

こんな人におすすめ

KARTEは非常に顧客分析に優れており、リアルタイムでユーザの行動パターンや購入履歴、その時の感情の変化まで可視化することで直感的に知る事ができます。サイト訪問者がどのようなタッチポイントにどう接触して購買まで至ったかという購買行動を詳細に分析することで、カスタマージャーニーの可視化も可能ですので1人ひとりのユーザの来訪パターンや会員情報・訪問履歴・アクセス情報を元にセグメントすることで、直接的な接客アクションに結びつけることができます。

管理画面には、接客アクションのテンプレートや事例が豊富に用意されており、自らのカスタマイズとの組み合わせで何通りものWeb接客パターンが自由自在に作成できます。価格はほかのツールより高くなりますが、他媒体との連携も行っており自由度が高いので、独自のノウハウを構築したい上級者向けのサービスとなります。

KARTEの特長

  • サイトに来訪しているユーザの行動・感情をリアルタイムで可視化
  • ポップアップとチャット両方が利用可能
  • SNSとの機能連携
  • 顧客分析に優れユーザごとの細かいセグメント分類が実現できる
  • カスタマイズの自由度が高いので多種多様な接客アクションを実現できる
  • KARTE for Appでアプリとの連携可能
  • KARTE TALKでLINEやメール・プッシュ通知・チャットなどを使いサイト離脱後のユーザにもアクションが可能
  • zopimやLINEビジネスコネクトなどの外部サービスと連携可能
  • 「シルバーエッグ」や「ナビプラス」とのレコメンド連携が可能

5. 【Web接客ツールその3】ポップアップ接客とチャット接客の両方が利用可能な『Flipdesk』

KDDIグループのSupership株式会社が運営するFlipdeskは2014年より提供を開始しており、この記事で紹介するWeb接客ツールの中ではもっとも長い実績を持ちます。

精度の高い独自の3rd Party Dataを持っており、これまでの実績を元にした質の高いコンサルティングサービスを売りとしています。「過去に○○回訪問したユーザ」や「コンバージョンして○○日の潜在リピーター」など、データを最大400日まで遡ることが可能で、マルチデバイスにも対応しております。

Flipdeskの料金は?

Flipdeskの料金体系は月間100万PV以下のサイトで月額費用5,000円~という従量課金型となっています。ポップアップ接客とチャット接客の両方が利用可能なWeb接客ツールの中では、最も安価で導入が可能です。
※ただし、初期費用が別途必要です。(2018年6月6日時点)

こんな人におすすめ

Flipdeskはクーポン配布・情報の告知などのポップアップ接客だけでなく、チャット接客機能も備えており、メッセージ、バナー、クーポン、チャットなど、ひとりひとりの状況に合わせて最適な接客を行います。さらに独自のDMPデータを保有しており、こちらのオーディエンスデータをWeb接客の配信ターゲティングとして活用することで、導入開始初月から様々なセグメントでWeb接客を行う事が可能です。
例えばエリアと年齢属性をWeb接客のターゲティング条件に加えることで「東京都に住んでいる30代男性にクーポンを表示」させるなど、他のWeb接客ツールにはない独自のシナリオ作成が実現できます。

Flipdeskの特長

  • ポップアップとチャットの両方が利用可能
  • 他媒体と比較して価格が安価で分かりやすい料金設定になっているので安心して導入できる
  • 国内最大級のDMPデータをWeb接客の配信ターゲティングとして活用することができる
  • 専門のコンサルタントが効果最大化のための運用サポートを行うプランがある
  • 結果はすぐにレポートに反映されるのでシナリオごとの詳細なレポートの分析が可能
  • 「シルバーエッグ」とのレコメンド連携が可能

6・まとめ

この記事では、3つの特徴的なWeb接客ツールを取り上げて説明しました。

世界的にビジネスのIT化が進む昨今、BtoCビジネスのEC化は現在も順調に伸びており、経済産業省によれば2016年の日本国内BtoC-EC市場は15兆円(前年比9.9%増)を突破しております。

日本のBtoC-EC市場規模の推移(経済産業省 平成29年4月24日公表)

EC市場はこれからも成長し続け、Web接客ツールを導入する企業もますます増えると思われます。

「多機能化」と「AIによる自動化」の技術革新が進むWeb接客ツールを導入するうえで最も大切なことは、それぞれのWeb接客ツールの特性を理解した上で、価格や機能・運用コストなど自社の状況に合っているかを検討し、しっかりと選ぶことです。

シニア層のネットショッピングの利用拡大やECマーケットそのものの成長にあわせてサイト訪問者の行動が複雑化する中、対話形式のニーズの高まりに合わせて技術的な進化を遂げるWeb接客ツールは、企業の新たなコミュニケーション・チャネルとして2018年もさらに多くの業種で導入が進み、これからのビジネスに欠かせないツールになるでしょう。

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