テレビCMとウェブ動画広告どこが違う?~ウェブ動画広告最新Tipsも紹介!~|ウェブ部

テレビCMとウェブ動画広告どこが違う?~ウェブ動画広告最新Tipsも紹介!~

広告クリエイティブ

電通発表の2019年日本の広告費によると、インターネット広告費は1兆7,589億円(前年比116.5%)、5年連続の二桁成長となり、地上波テレビ広告費(テレビCM)1兆7,848億円に迫る勢いです。
その影響もあり、テレビCMの予算をウェブ動画広告に一部シフトし、同時に実施する企業も増えています。

しかし、動画とはいえ、テレビCMとウェブ動画広告では「見せ方」の違いもあり、また媒体ごとでも様々なルールが存在しています。この記事では、テレビCMとウェブ動画広告の違いと各媒体の特長に加え、この数年でウェブ動画広告はどのように変わっていくか?を説明します。

(取材協力 Kaizen Platform株式会社 藤原氏)

テレビCMとウェブ動画広告はどう違う?

一見同じように見えるテレビCMとウェブ動画広告。数年前までは、テレビCMをそのままウェブ動画広告に流用するパターンが多い傾向がありましたが、ここ最近はウェブオリジナルの動画も制作されるようになってきています。
その理由として、テレビCMとウェブ動画広告では「見せ方」に大きな違いがあるからです。

テレビCMは、TV番組の合間に流れてくる、いわば受動的な「強制視聴」を前提とした作りになっており、例えば全体が30秒の長さのCMだとしたら、30秒すべてを視聴する上でのストーリーが組まれています。対してウェブ動画広告は、動画を見るユーザがスキップしたりスクロールしたりと、動画に対して能動的な行動をとることができます。
そのため、テレビCMのように30秒の長尺で強制視聴前提にストーリーを組むと、ウェブ上ではすべてが伝えられないという問題が出てきます。
そのような違いから、ウェブ動画広告用オリジナルのクリエイティブが必要であると考えられるようになりました。

それでは、実際にウェブ動画クリエイティブを考えるときは、どのような点に気を付ければよいのでしょうか。

ウェブ動画広告クリエイティブ大原則のポイント3つ

構成-冒頭部分にインパクトを持たせる。

前述したとおり、ウェブ動画広告はテレビCMと違って強制視聴型ではなく、途中でスキップしたり、スクロールしたりして視聴をやめることもできます。そのため、視聴時間が短い中で、冒頭にどれだけ引き付けるものをもってくるかが重要です。

動画広告クリエイティブ_冒頭部分にインパクトを持たせる。

<コピー>ウェブ動画広告はサウンドオフがほとんど!テキストでどのように魅せるかが重要

85%のFacebook動画広告はサウンドオフの状態で見られているというデータがあり、おそらくほかのメディアも同様の傾向があると予想されます。
音に頼らず、テキストでどのように表現していくかに気を配る必要があります。

表現ーユーザを飽きさせない工夫を!

ウェブ動画広告はテレビCMのように、同一の枠内での提供ではないので、様々な工夫ができます。2画面分割やルーレット(静止画を早いタイミングで切り替える)など、いかにユーザを飽きさせずに動画を見てもらう表現を入れられるかが重要です。

これら3つのポイントに加え、動画視聴の中心になっているモバイル(スマートフォン)で、どのようにみられているかを念頭に置いたクリエイティブにする必要があります。

ウェブ動画(モバイルファースト)のクリエイティブ 4つのポイント

(1)細かいカット&ペーシング(早く短く魅力的に!)
(2)明るい映像(モバイルの小さな画面でも見やすい明るさに!)
(3)トリミング(モバイルでも特長がわかるように人物や商材は大きめに調整する!)
(4)⼤きいテキスト/グラフィック(モバイル画面で目立つようにする)

ウェブ動画広告 代表的な媒体の特長

次に、メディア毎の動画広告の特徴と活用のポイントをお伝えします。

インストリーム動画広告-YouTube

YouTubeの動画広告は、5秒間は強制視聴ができる仕様となっています。この5秒という時間の中でもすでに6~7割は離脱しています。なので、この5秒の間に何を詰め込むか?動画を見てもらうために最初に何をアピールするか?が最も重要となります。

・YouTube動画広告に向いている商材とは?
YouTubeは、視聴者の視聴態度が暇つぶし、もしくはリラックスしたいというケースが多いため、「緊急性が低く、重要度が高い」商材、具体的には人材・保険・不動産などは反応が低い傾向があり、エンタメやアプリなどの、「すぐに始められる気軽な商材」には、非常に反応がよい傾向にあります。

Youtube広告(TrueView広告)の詳細はこちら

最新版TrueView広告 効果をあげる3つのポイント

 

インフィード型動画広告-Facebook、Instagram

SNSなどのフィードに配信されるフィード型のウェブ動画広告は、前述したYouTubeのインストリーム広告とは違い、5秒の強制視聴はありません。スマートフォンのスクロール平均速度が1.7秒と言われており、そのスクロールをいかに広告で止めるか?を前提にクリエイティブを考える必要があります。すぐにスワイプダウンされないようにするには、最初の2秒が勝負です。この短い時間にアテンションを持ってくることが望ましいです。また、秒数は15秒ぐらいだと効果が高いとされているので、その時間内に収まるような内容がよいとされています。

ストーリー型動画広告-Instagram

Instagramストーリーズ動画広告は、フォローしている人の投稿と投稿の間に差し込まれるため、自然とユーザにリーチすることができるのが大きな特長といえます。また、フルスクリーンで没入感のあるクリエイティブのため、強い訴求力で広告を配信できます。動画広告_インスタストーリーズ

ストーリー型動画広告をウェブサイトへの誘導を目的に行う場合は、ユーザにスワイプをしてもらうことが重要であるため、動画のCTAボタンの周辺にスワイプさせるための工夫をすることが必須です。

Instagramストーリーズ広告は、こちらの記事に詳しく記載があります。

【事例紹介あり】5分でわかる!Instagram(インスタグラム)ストーリーズ広告の概要と運用の効果とは?

今後のウェブ動画広告

動画の投稿・視聴が活発化し、2020年までにモバイルデータトラフィックの75%は動画で占められるようになる※とも言われております。(※Cisco Visual Networking Index:全世界のモバイルデータトラフィックに関する最新予測 2017~2022年 より)
2020年には5Gのサービスも開始し、従来の4Gでは毎秒1ギガビットの通信速度が、5Gでは10ギガビットになり、通信速度が10倍も早くなります。
そのほかにも、通信の遅延速度の改善や多数同時接続が可能になるなど、環境が変わることでウェブ動画広告も加速度的に伸びていくのではないかと予測できます。
この記事の最後となる章では、ウェブ動画広告の今後とカギとなるメニューをいくつか紹介します。

Amazonの動画広告 ビデオインサーチ

2020年1月現在、アメリカでしかリリースされていない広告メニューです。

ある商品を検索すると、検索結果一覧画面の中にフィードで動画が表示される仕組みになっています。2020年中には日本でもリリースされるのではといわれており、Amazon広告が新たな動画広告メニューとして台頭するでしょう。
https://advertising.amazon.com/resources/ad-specs/en/video-in-search

Amazon広告_ビデオインサーチ

ウェブ動画広告はヨコ型広告からタテ型広告へ

Instagramストーリーズ広告やTikTokといったタテ型のメディアが一般的に受け入れられるようになり、ウェブ動画広告は徐々に、従来のヨコ型からタテ型へとトレンドが変わってきているようです。

動画広告だけでなく、LP内も動画を駆使したコンテンツが主流となる?

5Gのサービスが開始されると、広告のみならず、その先にあるLPも動画を駆使して見せるという手法が実現できるようになります。
例えば、商品一覧を動画化して見せることは、これまではユーザの端末が通信量に耐えられず追いつかないためブラウザがクラッシュするなどありましたが、5Gのきっかけが来るとその懸念がなくなり、可能になるのでは?と予測します。
一覧化された商品動画の上に、コンバージョンボタンを置いてそのまま購入できる、といった動画ベースの体験ができるようになるのではないでしょうか。

まとめ

この記事では、テレビCMとウェブ動画広告の違いやそれぞれの媒体の特長、そしてウェブ動画広告で今後どのように変化するかをお伝えしました。
5G時代を迎え、動画は特別な表現手法ではなく、より身近なものになっていくことは確実です。今の段階から自社サービスの動画での表現における可能性を試しておくことが重要です。

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