SNS(ソーシャルネットワークサービス)は国内では2004年の「GREE」、「mixi」を皮切りに、日本独自の方法で人気を博してきました。
その後、2000年代後半以降には「Twitter」(2008年)、「Facebook」(2010年)、「Google+」(2011年)、「LINE」(2012年)、「Instagram」(2014年)と相次いで世界標準のSNSサービスが日本でもサービスを開始し、瞬く間に既存の国内サービスからユーザ数を奪い、現在に至ります。
SNS利用者は年々増加傾向にあり、最新の調査(ICT総研調べ)によると2015年末に6,451万人、2017年末には6,912万人まで拡大すると予測されています。
※(出典)ICT総研調べ「2015年度 SNS利用動向に関する調査」より
※(出典)総務省「社会課題解決のための新たなICTサービス・技術への人々の意識に関する調査研究」(平成27年)より
若年層が利用しているイメージを未だに持っている人もいますが、全インターネットユーザの6割以上がSNSを利用していると想定され、その割合は年々増えています。
この事実からもわかるとおり、40代以上の年代にも浸透してきており、もはや明確なユーザの偏りはない定着したメディアと言えるでしょう。
実名登録による結びつきの強さが特長 「Facebook(フェイスブック)」
・月間アクティブ率:56.1% ※2015年6月調査 |
世界で9億人以上が毎日使うソーシャルメディアといわれており、日本国内でも多くのユーザを獲得しています。
正確な国内利用者数は公表されていませんが、国内ではTwitter利用者数と同程度の数字と言われており、LINEを加えた三大SNSの一角です。
ただ、近年はユーザ数の伸びは鈍化しており、1年前と比べてもユーザ数は横ばいに近い推移になっているようです。(参照:http://www.cereja.co.jp/press_release20150323.pdf)
広告に関しては多くの企業がターゲットとする30代・40代が比較的アクティブなため、堅調に売り上げを伸ばしているようです。
特に2015年にリリースされたVideo(動画)関連の広告はこの成長に大きく寄与しているようです。
スマートフォンで動画を見ることが当たり前になったライフスタイルの変化もありますが、ほかのメディアと比べて「シェア」という共有の機能を有しているSNSでの動画広告は今後も伸びが期待できる分野として業界からも注目されています。
参考)Facebook―NEVERまとめ
http://matome.naver.jp/topic/1Hiq8
手軽さがウリの10代に強いメディア 「Twitter(ツイッター)」
・月間アクティブ率:70.2% ※2015年6月調査 |
Twitterにおいて、最も特長的なのが、140文字という文字制限。
撤廃されるorされないの議論がWeb上で話題になることもありますが、Twitterに投稿される情報は、簡潔な内容のものが多いのが特長です。
月間アクティブユーザは2億4100万人、1日あたり5億件ものツイートが誕生していて、ユーザのおよそ76%が、モバイル端末からアクセスしていることから、いつでもどこでも利用できる、リアルタイムコミュニケーションを求めているユーザが多いといえます。
ハッシュタグ(#)やリツイート、@ツイートなど、Twitter特有の用語や使い方もあるため、Twitter上での出稿を検討されている方にとっては、その用途を理解してから利用することもおススメします。
ちなみに、ハッシュタグとは「#◯◯」といったように、投稿したテキスト内容について投稿内容をあらわすキーワードを入力することで、同じ興味を持つほかのユーザに検索されやすくする機能のことです。
国内ユーザ数はFacebookとほぼ同様と言われていますが、そのユーザ構成は少し違います。
どちらも20代のユーザをベースにしていますが、Twitterは10代のユーザ比率が高く、Facebookは30代・40代の比率が高めという調査結果が出ています。
広告に関しては「何のハンドルをフォローしているか?」を軸に広告のターゲティングが行えるユニークさが人気を集めており、出稿企業数は堅調に増えていると聞きます。
また、近年はFacebookと同じくVideo(動画)関連広告もリリースし、好評のようです。
その他、Twitterならではの広告手法として、前述のハッシュタグ(#)を活用したターゲティング広告や、TVとの相性の良さを活用したTVCMとの連動広告をリリースしており、こちらも活用が進んできているようです。
参考)Twitter―NEVERまとめ
http://matome.naver.jp/topic/1M1am
Google提供ツールを活用するのに便利な 「Google+」
・月間アクティブ率:24.0% ※2015年6月調査 |
国内ユーザ数の発表はここ数年ありませんが、海外含めた全世界のユーザ数は11億5000万人(2014年2月現在)で、アクティブユーザ率は35%と低めです。
使い方がいまいちユーザに伝わっていない印象があり、ユーザの利用率が伸び悩んでいるといえます。
機能の特長としては、1度に最大10人まで同時にコミュニケーションできるビデオチャット機能ハングアウトです。
個人でも利用可能で、「ハングアウト オンエア」という機能をONにすれば、Google+を通じてビデオチャットの様子をライブ配信で全世界に発信できるため、企業やブランドが活用しています。
2012年にはオバマ大統領が市民から事前に質問を募集し、その中で投票の多い質問をした人と米連邦政府の公式Google+ページ上で、直接話し合い、その様子を配信したという例もあります。
参考)Google+―NEVERまとめ
http://matome.naver.jp/topic/1Luuy
国内最大のSNS 「LINE」
・月間アクティブ率:70.8% ※2016年1月調査 |
国内最大のSNS。国内ユーザ数は6,800万人(2016年1月現在)と言われており、もはやSNSというよりは「メール」のようなプラットフォームに近い存在にまで上り詰めています。
その最大の特長は驚異のアクティブ率。
直近の調査では月間のアクティブユーザ率が96.6%(※)という驚異の数字が出ています。
10代・20代の利用率が高いのは広く知られているところですが、最近では親世代である50代・60代のユーザも増加しており、まさに社会インフラとなりつつあります。
※(出典)ソーシャルメディアラボ 「【最新版】2016年7月更新。11のソーシャルメディア最新動向データまとめ」より
その特長は広告商品にも表れており、ほかのSNS広告がユニークなターゲティングをウリにしているのに対して、LINEの広告は従来のTV広告のような「マス広告」的な広告をいかに多くの人に届けるかということに注力した広告メニューとなっています。
企業はLINE内で企業の公式アカウントを持つことができ、そこでLINE上の「友達」を募る形となります。
Twitter・Facebookにもそれぞれ公式アカウントの機能はあり、「フォロー」「いいね」という形でファンを募るのは同様の形です。
参考)LINE―NEVERまとめ
http://matome.naver.jp/topic/1MCi0
ただ、そこで獲得できる「友達(ファン)」の数は桁違い。
特にFacebookページでは、ある程度名の通った企業でも数千のファンしかいないケースは珍しくありません。
楽天はFacebook・LINE共に国内最多の友達(ファン)数を誇っていますが、Facebookでの570万いいね!に対してLINEでは3,000万人ほどの「友達」を獲得しています。
知名度やサービスに差がない同企業のアカウントでのこの差はそのままユーザ数やアクティブ数の差と言えるでしょう。
※Facebookページは無料で開設できるのに対して、LINEは公式アカウントを開くのに数百万以上の費用が必要なので、力の入れ具合はもちろん違うと思いますが。
友達になると定期的にメッセージを送ることができますが、当然、到達数はLINEが断然多くのユーザにメッセージを届けることができます。
また、広告として提供している「スタンプ」も広告としては非常にユニークな存在です。
どちらかというとユーザからは「邪魔者」扱いされやすい「広告」ですが、LINEの提供する「企業スタンプ」は「広告」でありながら、企業から送られてくるのではなく、友達から送られてくるという点で受け取る側の印象が全く違います。
「広告」というよりは「コミュニケーションツール」として消費者の中に入り込めるものとして、今日では多くの企業がブランド向上・販売促進など様々な目的で活用をしています。
驚異のアクティブ率 「Instagram」
・月間アクティブ率:84.7% ※2015年6月調査 |
全世界でのユーザ数は4億人を超え、Twitterの3億人を超えたことで話題にもなった写真・動画投稿型のSNSです。
国内のユーザ数の増加率はほかのSNSを大きく上回る率で増えていますが、絶対数としては、まだほかのSNSと比べると少ない状況です。
(国内アクティブユーザ数は810万人 2015年6月現在)※日本経済新聞調べ
フォローしている人以外の投稿はフィードに流れてこないので、Twitter同様に、ハッシュタグ(#)を辿って他人の投稿を見るという文化があります。
企業目線で見ると、広告用の写真や動画をユーザに見つけてもらうにはハッシュタグ(#)を付けることが求められます。
多くのユーザがTwitterとは違い、複数のタグをつけています。
投稿が拡散されにくい面はありますが、フォロワーに好まれるものをしっかりと発信できるという面があるので、興味があるユーザに対して、有益な情報を正確に届けられるSNSといえます。
もちろん、写真・動画の投稿がメインとなりますので、きれいな写真であったり、興味をひきつけるものであるという基準を満たしている必要があります。
広告も2015年5月より国内で配信できるようになり、当初は外部へのリンクはできない形式でしたが2015年10月には外部リンクが可能となる広告フォーマットが登場し、話題となっています。
ターゲティングも親会社であるFacebookが保有しているデータを基に配信できるため、細かいターゲティングが可能です。
Facebook広告との違いはやはりその世界観。Facebookに比べてもいわゆる「広告」が馴染みにくい世界観なので、広告を出稿する際にはこの世界観に合わせた広告クリエイティブの作成が必須といえるでしょう。
参考)Instagram-NEVERまとめ
http://matome.naver.jp/topic/1LviN
まとめ
SNSの活用は、すでに多くの消費者の生活の一部になっています。依存症と言われるほど、一日の多くの時間を費やしている人もいます。
その状況を受けて、広告においても、いまやSNSは無視できないメディアとなっています。
SNS広告は、活用次第で、大きな成果を生むことのできる広告です。
ただ、上記で述べているようなSNS毎の特性を理解し、それに合わせた広告展開をしなければ、逆にネガティブなコメントや評判につながる危うさも持ち合わせています。
配信を検討される際には、このメリットとデメリットを理解した上で、ユーザに支持されるような広告展開をしていくことができる企業が、成長するSNSで大きな成果を出せるのだと思います。