ピンタレスト(Pinterest)広告とは?ピンタレストのツール概要から広告の種類まで幅広く解説

ピンタレスト(Pnterest)広告とは?ピンタレストのツール概要から広告の種類まで幅広く解説

2022年6月から日本で配信が開始されたピンタレスト(Pinterest)広告。この記事では、ピンタレストとは何かという解説のほか、ピンタレスト広告の活用・設定方法を説明します。

目次

ピンタレスト(Pinterest)とは?

ピンタレスト(Pinterest)の特徴

ピンタレストとは、一言でいうと「ビジュアル検索」ができるツールです。
たとえば、「自然を楽しむ旅行先」と検索すると、通常のGoogle検索では結果が文字で表示されますが、ピンタレストでは検索結果が画像で表示されます。

ピンタレストの大きな特徴は、検索したWebサイトやピンタレスト内の画像を自分のアカウントに集めて管理することができる点です。

一方で、他のSNSのように投稿を発信することには向いていません。あくまで気に入ったアイデア(画像)を集めておくためのツールです。過去の自分の行動や現在の気持ちを共有するSNSとは違い、未来に向けてインスピレーションやアイデアの着想を得るために使うツールであるといえるでしょう。

例えば、コーディネートに悩んだ時、夕飯のレシピを考えるとき、模様替えしようと検討しているときに、画像を検索することでアイデアやヒントを得て、気に入った画像はお気に入りに保存して、実際に行動に移すときに活用する、といった使い方です。
そのため、既に何を購入するか決めている顕在層のユーザではなく、まだ検討段階の潜在層のユーザにアプローチできる場と言えます。

ピンタレスト(Pinterest)のユーザ属性

日本のユーザ数は870万人(2020年12月)。他の主要SNSに比べると利用者数はまだ多くないものの、徐々に増加しており、TikTok(950万人)の規模に徐々に近づいていると言えます。女性がやや多く(女性57%、男性36%)、ミレニアル世代、Z世代と呼ばれる20~40代前半がメインユーザです。

出典:https://japan.cnet.com/article/35169052/

出典:https://gaiax-socialmedialab.jp/post-30833/

ピンタレスト(Pinterest)でよく検索されている内容は?

ピンタレストのユーザが主に興味を持っている内容(ジャンル)は、下記の通りです。

続いてフード・ドリンク、旅行、エレクトロニクス、スポーツが利用者数450~250万人と人気の検索項目となっています。※括弧内利用者数

出典:Pinterest 内部調査データ、日本、2020 年11 月- 2021年10 月

ピンタレスト(Pinterest)の主な機能

ピンタレストでは、新しい画像を見つけるための機能が複数あり、見つけて集めた画像を整理する機能があります。

ホームフィード

ピンタレストを開くと一番はじめにユーザの目に入るのがホームフィードです。
表示される内容は、ユーザがフォローしているアカウントの投稿。または、ユーザが選択した興味関心や保存したピンの内容に基づいておすすめされる画像です。

検索

ユーザが今調べたいものを検索できる場です。

ボードでピンを整理

集めたピンを、自分で整理できる場です。自分が好きなようにピンのグルーピングなどができるため、ユーザは自分がまとめたいテーマでボードを作成し収集したピンを管理します。

関連ピンの表示

見たいピンをユーザがクリックすると、そのピンの下にはその画像に基づいた関連・類似画像が表示されます。ユーザは関連で表示された画像の中からより探しているニュアンスに合っている画像を探すこともできます。

「ピン」「ボード」とは?

「ピン」「ボード」はピンタレスト特有のキーワードです。
「ピン」とは、ピンタレスト内に保存された画像・動画のことをさします。「ボード」とは、ピンを保存・収集し、整理する場所です。

ボードは自分の使いやすいようにカスタマイズ可能なため、ユーザが好きにボードに題名を付け、ピンをグルーピングすることが可能です。

ピンタレスト上のピンは2種類の方法で作成されています。

ユーザがピンを作成する

自分で撮影した写真などをピンタレスト上にアップロードし、オリジナルのピンを作成できます。

ネット上の写真や動画を保存する

ユーザはネット上のブログやサイトで見つけた画像・動画をピンとして保存できます。

ピンタレスト(Pinterest)とほかのSNSとの違いは?

ピンタレストは、ビジュアル要素が強い点でインスタグラムは似ていますが、主な利用目的は異なります。
インスタグラムのユーザは、既に気になるものが決まった状態でKW検索をかけることが多いのに対して、ピンタレストのユーザの多くはインスピレーションを得るための利用が多い傾向にあります。そのため、まだどこのブランドで何を買いたいか定まっていない状態で検索をするユーザが多く、まだ潜在層であるユーザにアプローチすることが可能です。

実際にピンタレスト内の非ブランド指名検索率は97%、購入前にインスピレーションを得るために利用したことがあるユーザは89%※です。

※参照: GfK, US, Pinterest Path to Purchase Study amongWeekly Pinners who use Pinterest in the Category, Nov 2018

ピンタレスト(Pinterest)広告とは?

ピンタレスト広告は、ピンタレスト内に配信できる広告です。ピンタレストは前述の通り、あらゆることにおいてまだ検討段階のユーザが多いため、潜在層にアプローチできます。また、ビジュアルでユーザの目に入る仕様のため、表示する画像・動画などのクリエイティブが広告要素として重要になります。
ピンタレスト広告は2022年6月1日よりはじまった新しい広告です。現在続々と広告配信を始める企業が増えています。

ピンタレスト(Pinterest)広告が配信される場所は?

ピンタレスト広告はホームフィードと検索結果、それぞれの関連ピンに表示されます。

ピンタレスト(Pinterest)広告を見たあとのユーザ行動

基本的には他のSNSと同じで、①ホームフィードなどでユーザへ広告が表示→②クリックで広告が拡大表示→③ユーザがさらにクリックするとリンク先へ遷移する、という動きをします。なおPCで閲覧したは、広告表示からピン(広告)詳細を挟まずに直接LPへ遷移します。

ピンタレスト(Pinterest)広告 ターゲティングの種類

ピンタレスト広告のターゲティング方法は大きく7種あります。

人口統計

性別・年齢・場所・言語・デバイスなど基本のターゲティングの設定が可能です。

インタレスト

ユーザの興味関心をもとに配信可能です。一例ですが、大きな「ファッション」のようなカテゴリから「Tシャツ」など小さなカテゴリまで詳細に設定可能となっています。設定できるターゲティングのイメージは下記の画像を御覧ください。

プレースメント

ピンタレスト内で広告を表示させたい場所を指定可能です。(ホームフィード・検索結果・関連するピン)

キーワード

ターゲットにするユーザがピンタレストで検索する際に想定されるキーワードまたはフレーズを指定して配信ができます。※除外も可能

オーディエンス

顧客リスト・サイト訪問ユーザ・ピンタレスト(オーガニックアカウント)でこれまでに何らかのアクションを取った人に限って配信することが可能です。

アクトアライクオーディエンス

既存オーディエンスの類似配信が可能となっており、既存ユーザに似たユーザへアプローチが可能です。

拡張

選択したキーワードやインタレストと似ている検索をしているユーザへのアプローチが可能なターゲティングです。更に多くのユーザにリーチが可能になります。

<ターゲティング詳細項目>

ピンタレスト(Pinterest)広告の配信フォーマット

ピンタレスト広告のフォーマットは大きく4種あります。インスタグラムで馴染みのあるカルーセルやコレクション(※フィードデータは別途用意)も利用でき、他のSNSのでの内容をピンタレストに活用することができます。

通常の投稿は、2022年10月現在では静止画のものが多いですが、徐々に動画形式のクリエイティブを出稿する会社が増えるでしょう。

スタンダード(静止画/動画)

ピンタレスト内に投稿されている通常の画像と同様のサイズで、1枚の画像または動画で表示されます。通常のユーザ投稿と同じように、自然に見てもらえます。

ワイド(動画)

画面の横いっぱいに使って表示されます。通常の投稿よりも大きく画面占有率も高いため、ユーザの目にとまりやすいのがメリットです。

カルーセル(静止画)

1つの投稿に複数枚の画像を掲載できるフォーマットです。1つの広告でさまざまな魅力を伝えることが可能です。また、ユーザはホームフィード上でもカルーセルをスワイプできます。

コレクション(静止画)

1 枚の大きなメイン広告素材と、それに続く3枚の小さなサブ広告素材を組み合わせて表示されるフォーマットです。ユーザが広告をクリックするとメインの画像が表示され、その下にサブの画像を一覧化して表示することができます。最大で24枚のサブ画像を表示できるので、ユーザにさまざまな商品などを見せることができます。

ピンタレスト(Pinterest)広告のはじめかた(アカウント解説)

ビジネスアカウント開設方法

ビジネスアカウント開設には大きく分けて2つの手順が必要になります。

まだビジネスアカウントをお持ちでない場合はこちらでビジネスアカウントを作成します。
上記のリンク先へ遷移後、「アカウントを作成」をクリックし下記の手順で必要情報を記載しアカウントを作成します。

<画像>

手順2. アドアカウントを作成

次に、広告用のアドアカウントを作成します。
まずナビゲーションバーの右上にある下向きの矢印をクリックし、「ビジネスアクセス」を選択しアカウント情報を記入します。

その後、作成されたアドアカウントに再度入り、「お支払い情報を見る」からビジネス情報を記入して「保存」すれば完成です。

広告の配信設定

アカウント構造

ピンタレストのアカウント構造には通常の広告と同様に「キャンペーン」「広告グループ」「広告」の3つの要素があります。

キャンペーン設定

キャンペーンで設定可能なのは「キャンペーンの目的」「キャンペーンの予算」の2つです。
キャンペーンの目的は、そのキャンペーンで何を成果とするかを設定します。設定すると広告の入札方法とフォーマットが決まります。

選択できる項目は以下の5種類です。それぞれ自動入札の設定も可能ですが、今回は手動の際の設定内容を記載します。

ブランド認知度の向上

目的:ブランド、商材などの認知度を高めます。
入札方法:ユーザが広告経由でリンク先にアクセスしたときのインプレッション 1000 回あたりのCPMを設定します。

比較検討の促進

目的:広告のピンのクリック数を増加させます。
入札方法:ユーザが広告をクリックしたときの最大CPCを設定します。

コンバージョンの獲得

目的:遷移先での購入、登録などのアクションを促進します。
入札方法:ユーザが広告をクリックしてリンク先にアクセスしたとき(またはアウトバウンドクリックを完了したとき)の予算やターゲットの平均 CPAを設定します。

カタログ販売

目的:求めているユーザにあなたの商品やサービスを紹介します。
ユーザが広告をクリックしてリンク先にアクセスしたときの予算やターゲットの平均 CPAを設定します。

動画視聴

目的:ニーズの高いユーザの視聴回数、平均再生時間、視聴完了率を最適化します。
入札方法:ユーザが動画を2秒以上視聴した場合の視聴数 1 回あたりの上限 CPVを設定します。

広告グループの設定

広告グループで設定できる内容は「予算」「入札」「実行日」「ターゲット」です。

広告クリエイティブの入稿規定

広告クリエイティブ入稿に必要な素材は「画像or動画」「タイトル」「説明文」「リンク先」です。
タイトル、説明文はどのフォーマットもすべて統一の条件となっております。説明文については、フォーマット次第で表示されない場合もありますが、適切なオーディエンスに表示するためには必要事項なためどのフォーマットでも記載しておくことが推奨されています。
各フォーマットの入稿規定の詳細は下の表でご確認ください。

※必要な素材:画像(or動画)、タイトル、説明文、リンク先

ピンタレスト(Pinterest)広告事例・掲載イメージ

コスメ業界(スタンダード静止画、カーセル)

コスメ業界の広告は現状、説明的ではない商品のイメージを使用したビジュアルで魅力を伝える画像、またはセールを訴求するような見せ方が多く配信されています。

アパレル業界(スタンダード静止画・動画)

アパレル業界では商品写真を利用した画像や、着用イメージを伝える動画などが多く配信される傾向があります。

まとめ

ピンタレストの広告は自然かつ視覚的に、潜在層の中でもアクションに結びつきやすいユーザにアプローチできるため、これからブランド認知拡大などに重要な媒体になる可能性を秘めています。今後、新たな広告施策の1つとして検討いただければ幸いです。

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