顧客満足度を向上させるオムニチャネル実現で外せない3つのポイント

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【E-commerce】_1

ECサイトでのオムニチャネル戦略といえば、数年前から展示会やセミナーでさかんに語られており、大手百貨店や複数の実店舗をもつメーカー直販ECなどを中心に、いくつも成功事例が出ています。

これからのECを語る上では外せないテーマであるといえます。

この記事では、そんなオムニチャネルの定義や、実際にどんな事が可能なのか、実現の際にどんなことに注意すべきか?など、オムニチャネル戦略を考える上で必須の基本要素についてまとめました。

オムニチャネルの定義とは?

オムニチャネルとはomni(すべて)とchannel(経路)を組み合わせた言葉で、あらゆるすべてのチャネル(経路)を統合管理することで、

顧客が・いつでも・どこからでも・同じように商品を購入できる環境を構築することです。

消費者行動の変化に対応するため、生まれたオムニチャネル

オムニチャネルが急速に広がってきている理由としては、EC市場の急激な拡大と、顧客の購買行動の変化が挙げられます。

国内における小売市場規模がここ数年横ばい~やや減少傾向で推移する一方、
BtoC-EC市場は高い成長率で推移しており、2020年には20兆円を超えるとも言われています。
参照元:東洋経済オンライン「ネット通販市場は小売りの20%、60兆円に」
http://toyokeizai.net/articles/-/48945

さらに、近年のスマートフォンやSNSの普及により、顧客が・いつでも・どこでも・必要な情報を集め、顧客どうしが密接につながり、必要に応じて行動を取るようになった結果、小売業界における購買行動の多様化や変化が起こりました。

それにより、ネットとリアルの垣根がなくなり、あらゆるチャネルを駆使して顧客にアプローチをすることが必須となってきました。

図1

オムニチャネルで実現できること

オムニチャネル自体は手段であり、決して目的ではありません。

そのため、「顧客に対してどのような価値を提供すべきか?」という視点に立って、各社のターゲットにあったオムニチャネル戦略を立てることが重要です。

システムありきではなく、「顧客から何が喜ばれるか?」という顧客視点を徹底し、実現をすることで「顧客に選ばれる理由=価値」を作り上げていく必要があります。

その価値を実現するために、あらゆるタッチポイントを駆使してアプローチをし、「楽しさ」や「驚き」、顧客の期待を超える「感動」を提供することで、自社のファンに育成していくということが真の目的です。

そして、オムニチャネル時代の価値向上には、
「情報の一元化」
「パーソナライズドエクスペリエンス」
「チャネルのシームレス化」
という3つのキーワードが重要になります。

図2

1.あらゆる情報の一元化

「ネットでは在庫があるのに、実店舗では在庫がない」

「ネットで購入したことのある商品を、DMで宣伝された」

「実店舗でいつも買っているのに、ネットでお試しセットをすすめられた」

など、チャネルごとに顧客属性や履歴情報が統合管理されていないと顧客体験がちぐはぐになってしまい、顧客に不便な印象を与えることになり、顧客を自社のファンへと育成していく上での障壁となります。

顧客の好みやタッチポイントが多様化し、購買行動も変化するなか、複数のチャネルからの情報を一元化した「デジタルマネジメントプラットフォーム」を元に、あらゆるチャネルにおいて顧客が不便を感じることなく、いつでも・どこでも・同じ顧客体験として商品を閲覧・購買・返品などができるシームレスなサービスを提供することが、オムニチャネル実現の第一歩となります。

2.パーソナライズドエクスペリエンス

オムニチャネル時代においては、統合されたデータを元に顧客のニーズや過去の行動、現在の状況に合わせたサービス提供を、あらゆるタッチポイント上で実現することが重要になります。

そのためには、定量・定性データからの分析を元に、どんなシナリオが顧客満足度の最大化を実現できるか仮説を立て、顧客の「目的」「行動」「タッチポイント」「思考・感情」を可視化し、顧客ごとに最適化された体験「パーソナライズドエクスペリエンス」を提供することが次の一歩となります。

3.チャネルのシームレス化

チャネルとは、販売チャネルだけでなく、受取チャネルも含めたシームレス化がキーワードになります。

ECサイトで注文した商品を店頭で受け取ることで、宅配を待たずに即商品を受け取ることを実現したり、顧客が店頭で支払いをした商品を自宅へ配送することで、商品の持ち帰りの重い・かさばるなどのわずらわしさをなくしたり、店舗が閉まっている時間帯でも商品の受け渡しだけを行う窓口を用意したり、顧客の都合に合わせていつでも・どこでも・注文と商品の受け取りを実現し満足度を高めることも、オムニチャネル戦略では重要な要素となります。

図3

オムニチャネル化のヒント

オムニチャネルを実現すると具体的にどんなことが実現できるのでしょうか?

顧客視点と運営者側視点に分けて、具体例を紹介させていただきます。

顧客側の視点でいうと、

「店舗で貯めたポイントをECでも使える」
「過去に店舗で買った商品を元に、ECで好みにあわせた商品をすすめてくれる」
「複数店舗ある場合、来訪した店舗にない在庫をECでお取り寄せできる」
「ECで注文した商品を店頭で受け取れる」

運営者側の視点でいうと、

「ECでも店舗でも在庫連携ができているので、店舗で完売しているのにEC用に在庫をとっておくなどの無駄がなくなる」
「顧客がECや実店舗など複数のチャネルをどのように利用しているかが把握でき、その上で顧客育成のために効果的な戦略や施策を立てることができる」
「すでに実店舗で購入した商品をECやDMなどほかのチャネルで訴求する無駄がなくなる(これは顧客側のメリットにもなります)」

など、顧客側にも運営者側にも複数のメリットが挙げられます。

オムニチャネル化が向いている業種

オムニチャネル化には一定額の投資が必要となりますので、向いている業種としては、いくつか条件があります。

1、保有顧客の規模

投資規模の問題から、オムニチャネルによって投資に見合った効果を得られる規模の顧客を保有している必要があります。
そのため現状では、すでに全国に複数の店舗をもつ百貨店やコンビニなどの事例が多くなっています。
また反対に、ネット上だけで一定の規模をもったECサイトが、実店舗を出すという事例も最近は増えてきています。

2、実店舗に足を運ばせることが価値となる業種

わざわざ実店舗に足を運ぶことが顧客体験の向上につながり、顧客育成をする上でメリットとなる業種である必要があります。

例えば、ファッションブランド系などの業種が挙げられます。実店舗で実際の商品をみたり、店員の接客をうけることで購入意欲が高まり、ネットでの注文率アップにつなげることができます。

3、実店舗に足を運ばせないことが価値となる業種

2とは逆に、今まで実店舗で買っていた顧客を大量に保有していて、これらの顧客に対しネットで買えるようにすることが価値につながる業種も、オムニチャネル化によって顧客にメリットを与えることができます。

例えば、最近増えているネットスーパーなどはその例です。忙しい主婦や近場のスーパーへ買い物に行くのが遠い地方の顧客、重いものを買いに行くのが大変なお年寄りなどをかかえているスーパーという業種は、ネットで買えるようにすることが価値につながり、オムニチャネルの目的の1つとされる顧客とのエンゲージを高めることができます。

オムニチャネル化の成功事例


①アプリを活用し新規顧客の獲得やエンゲージメントの向上を実現した東急百貨店

東急百貨店では2013年に公式スマートフォンアプリをスタート。

アプリ内でのショッピングの実現とクーポンを配信実施。

クーポンなどの特典を獲得するためのコードをTwitterやFacebook、また店舗などで配布することで、ソーシャルメディアや実店舗への集客を促進し、顧客との新たな接点構築や顧客エンゲージメントの向上を実現しました。

 

①新規の来店を増やす効果を狙ったロクシタンの「ロクシタンeギフト」

 ロクシタンでは2015年から「ロクシタンeギフト」をスタート。

LINEやメールでギフトを贈ることができるソーシャルギフトサービスです。

LINEでは、メッセージで届くアイテムに「LINEで贈る」というボタンがついていて、カードを選択してメッセージを入力し、贈りたい相手を選択するだけで、住所を知らない人にも手軽にギフトを贈ることができます。

受け取る人は、実際に店舗へ足を運ぶ必要があるため、新規顧客を獲得するきっかけとなる仕組みになっています。

 

消費者の行動が変わるのではなく、顧客にあわせることがオムニチャネル

消費者がどのような背景でオムニチャネルを取り入れているのか、いくつかイメージを紹介します。

企業に勤める20代のAさんは、テレビCMで、あるファッションブランドを知りました。

デザインやイメージが気に入ったのでスマホを使って検索し、ECサイトを訪問しましたが、サイズが合うかどうか?実際の生地の感じはどうか?など、不明な点があったので購入を決断することができませんでした。

いつかは購入したいと思い一応メルマガだけは登録しましたが、ほかにもいろいろなメールを受信しているAさんはメールを見ず、そのうち店舗にいったときに買おうと思っていました。

このようなケースでは、例えば、オムニチャネルを実現できていると、メールだけでなくFacebookやLINEなど複数の接触チャネルを駆使し、実店舗の情報を配信して来店を促したり、実店舗でもECサイトへの誘導を訴求したりと、消費者の行動や利便性に対するニーズに合わせ、あらゆるチャネルを活用して「購入」という目的に誘導することができます。

まとめ

顧客の購買行動が大きく変化するオムニチャネル時代において、小売業も顧客の変化に合わせて常に変化を続け、あらゆるタッチポイントを駆使しながら、顧客体験の向上を図ることが求められています。

しかしながら、システムの導入だけが目的になってしまい、そもそも自社の顧客がどんなニーズを持っていて、どのチャネルで、どんなサービス・価値を提供することが顧客満足度につながり、自社のファン育成に必要なのか?という視点が抜けてしまっていることも多く見られます。

すべてのチャネルで一貫性のある体験を提供することで、顧客と小売企業との関係を深め、ロイヤリティを高める。

結果として、収益を高めるというオムニチャネル本来の目的に向けて、他社よりも一歩も二歩も進んだオムニチャネル実現をできるよう、いまいちど自社のオムニチャネル戦略を見直してみてはいかがでしょうか?

 

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