【O2O(Online to Offline)】オンラインとオフラインのデータをつなげよう –オフラインデータをオンラインデータに反映してわかること-|ウェブ部

【O2O(Online to Offline)】オンラインとオフラインのデータをつなげよう –オフラインデータをオンラインデータに反映してわかること-

アクセス解析

オンラインの効果をネット上でのコンバージョンだけで判断していませんか。

リード獲得型プロモーションで、資料請求や予約申し込みをしてくれるユーザを獲得している企業も沢山あると思います。

しかし、リード獲得型プロモーションはECなどの直接コンバージョン型とは異なり、ネット上での申し込みが発生した後でリアルでのアクションを起こしてもらわないと実際の売上につながりません。

このようなWebのみで完結しないビジネス形態でもWebからのアクションは非常に重要になっています。

オンラインからオフライン(O2O)へ。

リード獲得型プロモーションでは、このO2O(Online to Offline)の架け橋をきちんと見える化しないと意味がないのです。

オンラインで沢山のWeb広告費をかけても、オフラインで申し込みをしないと広告費を無駄に使っていることになります。

色々な手法がある中で、どこにコストをかけていけばいいのか?オフラインの効果も一元管理して、ROIを正確に把握していきましょう。

▼1.O2O(Online to Offline)の重要性

まず大前提として、Web広告費のROI(※1)を正しく計算できていますか?

広告の費用対効果はWeb広告において、重要なKPIです。

ECの場合は、Webで完結するため比較的簡単にデータを見ることができます。

しかし、リード獲得型(※2)のビジネスモデルの場合「O2O(Online to Offline)」を前提に考えなければなりません。

オンラインからオフラインへの一連の流れを把握しないとデータを見誤ってしまいます。例えば下記の表1を見てください。

表1
図1

 

オンライン上だけで広告効果を見ている場合、「アフィリエイトA」が一番効率がいいように見えます。

なので、広告費をアフィリエイトAに投資するという判断が出てきます。
しかし、オンラインだけのコンバージョンに基づくROIは見ていますが、オフライン(リアル)のコンバージョンまでは媒体ごとの詳細な情報を持っていないため、振り分けができずに全体でしか見ることができません。

もし、オフライン(リアル)のコンバージョンまで見て、ROIを媒体別に紐付けたとしたら下の表2のようになっているかもしれません。

そうすると、表1で判断していた「アフィリエイトA」は実際の売上にはあまり貢献しておらず、実はCPAが一番高い「リスティングE」が売上に一番貢献していることがわかって、「リスティングE」に費用を投下しようとなるはずです。

 

表2
図2

このように、リード獲得型はオンラインだけでは完結できず、広告費を無駄遣いしている可能性があるのです。

O2O・オフライン(リアル)のコンバージョンを前提にデータを見なければ、せっかく計測できているデータも意味がないものになってしまいます。

 

※1 ROI(投資対効果):投資したコストに対して得られる利益の割合。100%を超えないと投資した分の回収ができていないことになる。

※2 リード獲得型:Webでのコンバージョンが資料請求や会員登録などまでで、料金を支払わず終わるもの。対極にあるものはEC型で、主に通販などがそれにあたる。

 

▼2. 【O2O(Online to Offline)】オフラインデータをオンラインデータに連携すると、こんなこともできるんです!

前章では、O2O・オフラインデータの分析の重要性を述べました。

この記事を読んでいる方々で、「すでにそんなこと知っているよ!」という方もいるかもしれません。

確かにこのような話は、数年前から話されています。

しかし、「O2O・オフラインデータの分析」の話はこれだけではないのです。

アクセス解析データを見ていますか?

すでにWebの世界では当たり前のツール<アクセス解析> GoogleAnalyticsやAdobeAnalytics(AdobeMarketinngCloud)をはじめとするWebサイト内のユーザの動きを計測するツールです。

オンラインの資料請求をする前のどこで離脱しているか。どこが資料請求に貢献しているか?どこからの流入が資料請求しやすいか?などなどWebサイトを構築したり、Webプロモーションを評価する上での問題点となる情報を沢山教えてくれます。

しかし、あくまでオンライン上での情報なので、「資料請求するまで」のユーザの動きしかわかりません。

ですが、きちんと設定をすると「オフライン申し込み」というコンバージョンをアクセス解析上で見ることが可能になります。

そうすると「オフライン申し込み」まで至ったユーザがどのページを見たのかまで見ることができるのです。

そうすることで、本当に売上に至った人たちには、どのページを見せた方が良いのか?という分析が可能になります。

ほかにも「資料請求するまで」のユーザで分析した項目と同じ分析ができるようになり、オフライン申し込みしたユーザのWebの流入傾向や、さらに、「資料請求まで至ったユーザ」で「オフライン申し込みまで至らなかったユーザ」のサイト内の動きなど、オフラインのデータと連携した一歩進んだアクセス解析が可能になるのです。

 

▼3.【O2O(Online to Offline)】オンラインとオフラインをつなぐために必要なこと

今までアクセス解析をオンラインでしか使っていない人が、オフラインまでデータを見たい場合は、何を準備していいのか?過去のデータは確認できるのか?など、気になることがあると思います。

そこで、実際の仕組みについて図解して説明します。

現在は、図3のようにアクセス解析ツールで取得できる情報は資料請求したというところまでです。

 

図3.オンラインとオフラインの範囲(現在)
図3

 

しかし、成約した情報をアクセス解析ツールにアップロードすると請求IDを軸に紐付けをすることができます。イメージとしては図4になります。

図4.オンラインとオフラインの範囲(紐付イメージ)
図4

 

DB(データベース)側とアクセス解析ツール側で同じ資料請求IDを発行することで、最終的に成約まで行ったときに請求IDを軸にして紐付けることが可能になります。

つまり、アクセス解析ツールにも請求IDを取得させる必要があります。

過去弊社が実装してきたクライアントの場合、資料請求IDをアクセス解析ツールで取得していない場合もありましたので、実装していない場合は追加で設定する必要があります。

また、アクセス解析ツールにオフラインのデータをアップロードできないツールの場合は、システム的に連携するか、エクセルやアクセスなどで自分たちで紐付ける必要が出てきて非常に手間になる傾向にあります。

可能であれば、自動で紐付けられるシステムを構築しておくと良いでしょう。

 

▼4.【O2O(Online to Offline)】アクセス解析から導くマーケティング施策

さて、いままでは概念とオフラインとオンラインをつなげるための設定を説明してきました。

最後に一番重要な、取得したデータをどう生かすかを説明したいと思います。

オフラインのコンバージョンを見える化し、そのデータをチェックしていく上で重要になってくるのは下の2点です。

 

①2章で図に示したオンラインだけでなく、オフラインのコンバージョンを媒体ごとなどで比較するレポートを作成する。

②資料請求した人が、どのページをみているかを確認する。

 

まず①についてですが、アクセス解析ツールによっては、アップロードすると請求IDを自動で紐付けて、管理画面上で閲覧できるものもあります。

自動で紐付けをしていれば、資料請求でCVRを出しているやり方と同様の感覚でレポートを見ていただくのが良いでしょう。

もし、その自動紐付けの機能がない場合は、前章で述べたとおりアクセス解析ツールで取得したID軸のレポートをダウンロードして、DB側の請求IDとデータを紐付けてから集計する必要性が出てきます。

最初は手間ですが一度レポートを作ってしまえば、あとは、どの広告が本当の売上につながっているか?がわかりますので、データを見てコスト配分を考えてみてください。

いままでわからなかったことも判明し、広告費配分の最適化ができると思います。

 

次に②についてですが、「資料請求した人」というのがポイントです。

これは、ほとんどのアクセス解析ツールについているセグメント機能を使います。

資料請求したユーザという設定をすれば、資料請求した人だけのデータになります。

ただ、ここでの注意ですが、「資料請求したユーザ」設定すると、「ユーザ」なので資料請求する前も含まれてきます。この点に注意です。

資料請求する前も含めてみたいということであれば、まったく問題ありません。

資料請求後のデータを見たいということであれば、ちょっとコツがいります。ここでは、ツールによってデータの持ち方が異なってくるので各ツール別の説明はできませんが、概念だけを説明します。

 

まず、資料請求した時のIDを取得します(このIDの値をずっと持ち続けることが前提条件になります)。

そうすると「資料請求IDを持ったセッション」というセグメントを作成することができます。

IDを持っていないセッション、つまり、資料請求する前までのセッションのデータは含まれず、資料請求したセッション以降のデータだけが抽出されます。

そのセグメントのユーザが「どこのページを見たか?」や「どのように流入してきたか?」がわかりますので、ユーザの行動から、資料請求したユーザがどのページを見ていたのか分析すると良いでしょう。

さらに、資料請求後にどのページをみたのか?を知りたいのであれば、「資料請求IDを持ったページ」に限定をすると見ることができます。

ただし、「ページ」を設定できるツールは少ないので、ツールの設定を確認してください。

さらに突っ込んで、「成約したユーザ」だけを見たい場合は、資料請求IDを1個ずつ選んでいくのが基本的なセグメント方法ですが、非常に手間がかかります。

データアップロードができるツールなら、成約したユーザだけに何らかのフラグをつけてアップロードすると、簡単にセグメントを作れるでしょう。

ただし、「ユーザ」「セッション」「ページ」の区分は意識して設定してください。そうしないと本当に見たかったデータと異なるものが出てきてしまうので要注意です。

ここまでができれば、オフラインのデータまでを含めたユーザの動きが見られるようになります。

今後は、Webだけではなく、その後の動きも見てビジネスに活かしてください。

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