顧客心理を理解しネットショップの転換率を上げる5つの基本ポイント

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MS中村さん

ネットショップの売上を増やすために、アクセスの向上と並んでよく話題に出るのが転換率の改善ですが、具体的にどうすればよいのでしょうか?

もちろん、扱っている商材やターゲットの属性、流入チャネルやタイミングによって具体的な施策は異なってくるのですが、

この記事では、よくあるEFOやクリエイティブに関するノウハウではなく、顧客心理にスポットをあてて商品詳細ページの転換率を上げるための

5つの基本ポイントと事例を紹介します。

特に商品ページでの離脱率を改善し、ネットショップの転換率を上げたいと考えられている方の改善ヒントになれば幸いです。

ネットショップ転換率を上げるために必須の大前提とは?

 

転換率とは、ご存知のとおりページへのアクセス人数に対して商品を購入する人数の割合を高めることですが、どうすれば転換率が上がるのでしょうか?

まず大前提として、「買う見込みのあるお客様」をページに連れてくるということが必要です。

転換率が低いと悩んでいる方の中には、集客増だけに気を取られてしまい、買う気のないお客様までオファーを付けたり、

煽り文句を強めて無理やりページに連れてきてしまい、転換率が下がるばかりでなく、お客様の心証まで悪くしてしまっているケースが多くみられます。

少し前まではそのような手法も多くみられましたが、競合が乱立し、モノや情報の選択肢が多すぎるうえ、高い費用対効果での

新規集客も難しい時代では、そのような手法は長期的にみるとNGです。

そこで、自社のブランドロイアリティーや商品へのニーズとウォンツを高めて、買う気のある見込み客を育てるのがCRMの役割となるのですが、

CRMについては別の機会に説明します。ここでは、「買う見込みのあるお客様」を送客してきた前提で、商品ページの転換率を最大限高めるためのメッセージの考え方や事例を紹介します。

 

※1 ブランドロイアリティ

ブランドに対する忠誠心のこと。ブランドロイアリティが高い顧客はそのブランドのファンであり、競合ブランドへの乗り換えも少なく積極的に購入する優良顧客であるといえる。ブランドロイアリティを高めることは、安定した市場を形成するうえで非常に重要な要素となる。

※2 ニーズとウォンツ

ニーズとは必要性で、例えば、「喉が渇いた」といった漠然とした欲求。対してウォンツは、そのニーズに対して「ウーロン茶が飲みたい」といった具体的な解決策に対する欲求がウォンツ。マーケティングでは顕在化したニーズに対し具体的な商品へのウォンツを高めるだけでなく、消費者自身も気付かない潜在的なニーズを気付かせたうえで商品へのウォンツへ引き上げることも必要。
※3 CRM 顧客関係管理(Customer Relationship Management)。ブランドロイアリティの向上や顧客満足度向上など特定の目的を達成するために、顧客情報を利用して戦略的に顧客との関係を構築すること。

 1, ベネフィットの差別化により、他の商品でなくこの商品を買う理由を伝える

商品の購入は、顧客が商品代金に対して感じる価値を、商品がもたらすベネフィット※4が上回り、そのベネフィットに対してリアルな証拠を提示できた時点で発生します。

ニーズとウォンツがまだ十分に高まっていない顧客にとって、知りたいのは商品のスペックやこだわりではなくて、ベネフィットです。

つまり、届いた商品がどんなハッピーをもたらすのか、という顧客の感情に訴えかける要素です。

ニーズとウォンツがすでに高まっているお客様は極端な話、放っておいても勝手に買ってくれるので、いかにそれ以外のお客様を、このベネフィット

を利用して心をつかみ購入に引き上げるか、という部分がページ全体の転換率の差となって出てきます。

 

ベネフィット訴求の変更で売上が100倍になったケース

同じ商品、同じ価格であるにもかかわらずベネフィットの訴求ポイントを変えただけで、売上が100倍になった北海道のチーズケーキの事例があります。

このチーズケーキですが、当初は業務用サイズということで大きさや素材へのこだわりに対する訴求を全面に出したLPを制作して売り出しました。ところが、メルマガや広告で訴求しても、集客も転換率も思わしくなく、日商で10万円程度しか売れません。

そこで、再度商品のウリを洗い出したところ、その業務用チーズケーキが北海道のとある有名ホテルに卸販売されていることが判明したのです。

これはウリになると、キャッチコピー、メインビジュアル、テキストから全体の構成まで、「有名ホテル御用達」という訴求で作り直したところ、集客数も転換率も大幅に向上し、日商10万円程度だったチーズケーキの売上が最高で日商1000万円を超える大ヒット商品になりました。

お取り寄せスイーツブームも過ぎ去って競合が立ち並ぶ状況で、珍しい希少なチーズケーキやこだわりのチーズケーキはありふれていましたし、

ただ大きいだけのお買い得なチーズケーキはどこにでもあったので、「有名ホテル御用達」というここにしかないストーリーをベネフィットにすることで、

転換率だけでなく集客量も改善し成功したケースです。

 

※4 ベネフィット

消費者が商品から得られる体験や感情的なメリット。例えば、お取り寄せグルメを買う人がその商品(モノ)を求めるのではなく、一緒に家族や仲間と食べる楽しい時間(コト)を求めているといった真のニーズのこと。




図1

2,訴求に対してリアルな証拠はあるか?

お客様をつかむベネフィットやその他の訴求ポイントが魅力的でも、そのリアルな証拠がないと十分に購買意欲を高めることができません。

リアル感を高めるための要素として次のポイントがあります。

 

・購入者のレビュー

見込み客に対してもっとも説得力をもたらすのが、購入者のレビューです。システムによるレビュー表示以外に、ページ上の演出として写真や名前付き、直筆にするなど、リアル感を演出するとより一層効果的です。システムによるレビューの場合は、過去の調査によると商品の価格や条件が一緒ならば、レビューの数とページ転換率は比例しているという結果が出ていました。

一定数を超えるとレビューの転換率への影響度は下がりますが、転換率を改善するためには約50件程度のレビューを目標にするとよいということが分かります。

 

図2

出典元:弊社調べ 食品ECサイトK社

 

その他、ベネフィットに対する説得力を増すために次のような要素が考えられます。

 

・ベネフィットが一目で伝わる画像や動画(百聞は一見にしかず)

・TV・雑誌などのメディア掲載、有名な賞の受賞など、第三者評価

・ランキング受賞などの流行感

・期間限定オファーやキャンペーンの場合は開催する理由や特別感

・開発者の声や生産風景や原材料など現場のリアル感

・商品のストーリーや売り手の想い

3,今買う理由があるかどうか

気になる商品があっても、「今すぐ欲しい!」と思うレベルにまで購買意欲が高まっていない状態では、

いつか買おう、他にも見てみよう、となってしまいページから離脱される原因となります。

それを防ぐためには、今買う理由を明確にすることが重要です。いくつか具体例を紹介します。

 

・期間限定メリット(価格メリット/ポイントインセンティブ/おまけ/季節限定デザインなど)

期間限定のオファー(クーポンや割引、ポイント企画など)で今買うことに対してメリットを訴求します。

消費税増税前の一時的な転換率上昇なども、この期間限定メリットに入ります。

 

一般的にキャンペーン期間中は転換率が向上し、終了直後には転換率が低下しますが、開始前後の影響も含めた

トータルの期間で見ると転換率が上昇することが多いため有効な策となります。

例えば、通常別途送料がかかるところ3日間限定で無料になるというキャンペーンで、広告、オーガニックサーチ、メルマガなど

各チャネルの転換率がすべて1.5~2倍になったという事例があります。送料の負担費用を計算しても利益的に十分なメリットがあります。

 

オファーの実施で心配されるのが、オファーのあるときにだけ動く顧客(バーゲンハンター)が出てくることですが、

過去の実績ではあまりに大幅な値引きやポイント付与などでなければ、バーゲンで転換した顧客のうち2~3%程度と、

ほとんど発生しないという結果が出ています。

むしろ、休眠顧客の掘り起しの効果が大きく、オファーをキッカケに購入した顧客がオファー無しの期間にリピートするようになり

LTVが改善するという数字が出ています。

ただし、同様のオファーを多用することはレスポンスの低下を招くため、集客数や転換率を見つつオファーの内容や頻度を調整する必要があります。

 

・品薄感(限定○個/希少性の訴求など)

 残り在庫数に限りがあると、今買わなくては無くなってしまうという心理から転換率が向上します。(あまりに在庫が多い場合は効果がありません)

 また、生産や入荷が困難などの理由で希少性を訴求することによっても転換率が向上します。

 

・流行感(ランキング受賞/メディア紹介/販売数○個突破など)

 他の人も買っている、みんな買っているという状況は今買う理由になります。顧客のボリュームゾーンとしては、商品が出た直後に

 誰よりも早く飛びつくイノベータ―よりも、それに追随する層の方が多いため、流行しているという事実は今買うための後押しとなります。

 

・タイミングの訴求

 今なら年内お届けに間に合う、今なら母の日に間に合うなど、季節的なイベントに間に合わせるために、今買うメリットをあらためて訴求することで転換率が上昇します。

残り時間が少ないときは、「母の日お届け締切まであと○時間」などと残り時間を表示することによってさらに転換率が上昇します。

これは他の要素でもそうなのですが、顧客にとって分かりきったことでも転換率向上に重要な要素はあらためてシンプルに訴求し、

顧客に認識させて購入まで心理を誘導することが重要です。

図3

4,ここで買う理由を明確にする

これは主に独自ドメインサイトで必要になってくるのですが、ユーザー目線で考えると、同じ商品を別のネットショップで買う選択肢もあります。

例えば、独自ドメインサイトと楽天とアマゾンで同じ商品を同じ価格で販売していた場合、ユーザーとしては決済が簡単なアマゾンで買うという

選択肢もあるわけです。そのような場合に自社の独自ドメインサイトで買ってもらうには、そこで買う理由が必要になってきます。

自社独自のオファーを付けたり、おまけを付けたり、会員ランク制度や会員限定イベントを実施することで

自社サイトで買う理由になり、他のネットショップへ離脱する可能性を低減することができます。

5,想定される疑問点やマイナス要素を排除する

ユーザーが購入を検討する際に、1つでも払拭されない疑問や不安残ると、離脱の大きな原因になります。

あらかじめ想定される疑問や不安をページコンテンツで解消することで離脱の可能性を低減させることができます。

想定される疑問点や不安要素と、それに対するアクションをまとめてみました。

・お届け日程/送料/サイズなどの基本情報が知りたい →基本情報は迷わず見られるように全商品共通で決まった箇所に記載する
・基本情報以外の商品に対する一疑問点 →よくある質問と答えを商品詳細ページに記載する
・信頼できるショップなの?運営元の詳細は? →特に新規ユーザーにはクリック率が高い要素なのでヘッダー、フッターで迷わず見られる位置に記載する
・良くない商品だったらどうしよう →レビューの投稿数を増やす施策(レビューコンテストや投稿に対するインセンティブなど)
・もっと安いところで買おう/別の店も見てみよう →今ここで買う理由を訴求(限定オファー、返品保証やリピーター向け特典など)

 

図4まとめ

いかがでしたでしょうか?顧客視点で考えるとごく当たり前のことも、運営者や制作者視点でばかり考えていると意外と見落としてしまうポイントも

あったかと思います。ネットショップの転換率を上げるには、スペックではなくベネフィットで顧客心理をつかみ、「今、この商品を他のネットショップでなくここで買う理由とその証拠」という切り口でしっかりと商品やショップの魅力を伝えることで、本来獲得できていた購入者を最大限に獲得することができます。

ネットショップで売上を上げるにあたってデータドリブンという大前提があったうえで、マーケティング的な視点だけではなく、ターゲットの顧客心理を想定した仮説をたて実行するという商売人やおもてなしの視点が重要です。

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