これさえ読めばすべて分かる!ネイティブ広告の全種類と活用法

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「ネイティブ広告」というワードを最近よく耳にしませんか?
インターネットでいろいろ検索していると、たくさんのバナーを目にしますよね。また、訪れたことのあるサイトのバナーが何度も現れることもしばしば(※リマーケティング、またはリターゲティング詳細は過去記事参照:<【未経験者必見!】ゼロから始めるリマーケティング広告>)。そのような現状にユーザーはストレスを感じるようになってきました。
そこで生まれたのが「ネイティブ広告」です。バナーのように広告として目立つものではなく、我々がよく目にしているメディアに溶け込むように表示される広告のことです。

その種類は様々です。「ネイティブ広告」のメディアと言えば「Gunosy」「SmartNews」などがありますが、それぞれ特徴のあるメディアです。ですので、使い分けは必要ですが、既存の広告施策に行き詰まっているのであれば、ぜひとも実施していただきたいメニューだと思います。

その他にも「ネイティブ広告」にはたくさんのメニュー、種類があります。次章から詳しく説明していきますので、ぜひこれを読んで「ネイティブ広告」博士になってください!

 

記事広告、SNS広告、それぞれ「ネイティブ広告」と何が違うの?

詳しい話は後々しますが、記事広告もSNS広告も「ネイティブ広告」です。        
「ネイティブ広告」とは新しい広告の形ではなく、「今まであった広告」プラス「新しい広告」をまとめた総称になります。
下のようなイメージです。

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「ネイティブ広告」の定義

「ネイティブ広告」とはなんなのか?実は現時点では明確な定義はされていません。ただ、一般的に解釈されている内容としては
「ネイティブ広告」とは、記事と広告を自然に溶け込ませ、ユーザーにストレスを与えず情報を届ける広告
になります。

現在IAB(インターネットアーキテクチャ委員会)によりネイティブ広告には、6種類のタイプ(分類)と6つの評価軸が定められています。
まずはそれをご案内します。

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これを見てもまだちょっとイメージがわかないですよね。それぞれの種類について、評価軸の違いを元に詳細を以下説明します。

 

「ネイティブ広告」の分類詳細

 

①インフィード型

このタイプは基本的に「媒体社の通常のコンテンツの中にある」のが特徴です。さらにリンク先やセグメントの仕方、指標の違いなどによって3種類に分類されます。

 

【インフィード型-1】

これは、いわゆる「記事広告」などのことです。代表的なメディアは「GIZMODE」「Allabout」「OZmall」など。

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読み物としてユーザーと深い接点を持てるメニューです。サービスメニューが複雑だったり、商品が高額だったりする企業におすすめです。
記事を通して、ユーザーに自社商品をきちんと理解してもらう施策として活用ください。直接的な効果を目的にすると、見合わない可能性もあります。メディアによっては、メディア内記事広告ページにリターゲティング(またはリマーケティング)タグを埋めさせてくれるところもありますので、マークを溜める施策としても活用できるかと思います。

 

【インフィード型-2】

こちらは代表メディア名を見て頂いた方が、イメージがつきやすく、分かりやすいかもしれません。現在みなさんが「ネイティブ広告」と認識しているものは主にこちらのタイプではないかと思います。代表メディアは「Youtube」「Gmail広告」「Twitter」「Facebook」「Instagram」「LinkedIn」「Gunosy」などです。
SNS系メディアの広告メニューなどがこちらに分類されます。また、IABが定めている計測指標とは異なる場合もありますが、「Antenna」もこちらの分類に入ります。

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この分類に当てはまる「Twitter」、「Facebook」共に有名なSNSサービスです。どちらもユーザー数が多く、ユニークなターゲティングが特徴 です。ダイレクトレスポンス狙いでも十分効果が期待できます。
「Gunosy」「SmartNews」などは人気のキュレーションメディア です。どちらもCMの実施によってユーザ数、層共に拡大していっています。
「Gunosy」はダイレクトレスポンス向け(特にアプリダウンロードに強いらしい)、「SmartNews」は40~50代のユーザが多い、という特長があります。それぞれのメディアの特性と自社の目的を考えて出稿いただければと思います。

【インフィード型-3】

こちらは先程の【インフィード型-2】と代表メディアはほぼ同じですが、表示されるメディア形式、リンク先などが違います。【インフィード型-2】の場合はリンク先は「外部」でしたが、こちらは基本的に外部へ遷移することなく、広告コンテンツの中身を表示できるのが特徴です。

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掲載メディア内部で完結するメニューになりますので、資料請求や商品購入など直接効果を狙う施策向けではありません。各メディアでいろいろなビジュアルフォーマットを用意しているので、動画やイメージ画像など自社で「見せたいもの」がある場合におすすめです。

 

 

②ペイドサーチ型

とても意外に思われるかもしれませんが、この「ペイドサーチ型」とはいわゆるリスティング広告のことです。
検索結果画面上に検索結果と同じようなフォーマットで広告表示されるため、こちらも「ネイティブ広告」に分類されています。
代表メディアはもちろん「Google」「Yahoo!」などです。

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こちらは説明の必要はありませんよね。
各社とも基本の施策として押さえているかと思います。前述した「インフィード型」が新規、潜在層向けの施策だとしたら、こちらは既存、顕在層向けの施策です。効果の高さはお墨付きですので、「ネイティブ広告」がどうの、とは関係なくぜひ実施いただきたい広告メニューです。

なお、リスティング広告は純粋な検索結果と同画面に表示されることから、とても自然に見えます。この特性を悪用し、公式サイトを装って利益を得ようとする悪質な出稿ケースも見受けられていました。そこで、Yahoo!は、2019年6月3日より、成果報酬型サイト(アフィリエイトサイトを含む)、つまり広告のクリックを目的としているサイトに関する広告は掲載不可にする、というルールが施行されました。

広告掲載基準「広告の有用性について」判断基準変更のお知らせ
https://promotionalads.yahoo.co.jp/support/announce/672679.html

このように、ユーザの不利益にならないような対応もどんどん進んでいます。

 

③レコメンドウィジェット型

これは今までのものと違って特定のメディアはありません。レコメンド配信サービスを使用して、広告配信したい記事などをレコメンド欄のあるサイトに表示する形になります。「レコメンド」とは、直訳すると「薦めること」です。また、「ウィジェット」とは、Webサイト内の好きな場所に設置できるアプリケーションソフトのことです。「ガジェット」と表現される場合もあります。つまり「レコメンドウィジェット」はユーザーの興味関心に沿った広告を配信してくれるツールということになります。
「レコメンド」なので、ユーザーによって表示される内容が異なります。そのため、配信面の指定はできないのが今までご紹介した「ネイティブ広告」各種と大きく違う点です。

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大抵の場合、レコメンド枠というのは各ページの下の方に設置されています。ですのでユーザーの目につく可能性が低いことに留意してください。ただし、そのユーザーの興味関心を踏まえて「レコメンド」された広告になりますので、自社の広告をクリックし、自社のLPなり記事広告なりに遷移してくれたユーザーは、かなり自社商品に関心が高いと言えます。ですが、遷移した先のコンテンツがユーザーの意にそぐわないものだとすぐに離脱されてしまう可能性も高いため、きちんとしたものを用意しておく必要があります。この特性を踏まえて、「インフィード型-1」の記事広告と併せて実施することをおすすめします。

 

④プロモートリスティング型

こちらは②の「ペイドサーチ型」と似ています。
代表的なメディアは「Amazon」や「食べログ」です。

「食べログ」でお店を検索した時に、星の数がそれほどに多くはないにも関わらず検索結果上位に上がってきているお店を見たことはありませんか?それがこの「プロモートリスティング型」のネイティブ広告です。「インフィード型-2」と混同してしまいそうですが、「インフィード型-2」はどんなジャンルの広告も(掲載可否さえ通れば)出稿することができます。ですがこちらの「プロモートリスティング型」ではその掲載メディアの取り扱いのある業種や商品しか広告を出すことができません。「食べログ」であれば飲食店など。「Amazon」であればAmazon取り扱い商品だけです。そこが大きな違いになります。

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こちらは先ほども記載した通り、どんな業種でも広告出稿できるものではありません。飲食系は元より、各大手ECサイトなどでもこういったメニューがあります。BtoCの業界の方であれば自社の商品に合ったサイトでこういった広告メニューがあるか確認いただき、検討されてはいかがでしょうか。

 

⑤ネイティブ要素を持つインアド型
※(IAB スタンダード)

もうなんのことやらよく分からない分類ですよね。これはいわゆる「コンテンツターゲティング配信」になります。広告表示されるメディアとデザインの親和性は高くないが、取り扱っているコンテンツとの親和性が高いものが、この「ネイティブ要素を持つインアド型」になります。

普通のネットワーク広告配信(詳細は過去記事参考:<5分で完璧に理解できる!DSPの仕組みと新しい手法>)もターゲティングの手法によっては「ネイティブ広告」に分類されるということです。

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ネットワーク系の広告といえば、基本的に実施されるのはリターゲティングかと思います。「ペイドサーチ型」でも少し説明しましたが、リターゲティングやリスティングは、既存、顕在層向けのメニューです。それだけを実施していても、効果がシュリンクしていくのは目に見えています。各ネットワーク系広告ではリターゲティングの他にもここで説明したような「コンテンツターゲティング」や「キーワードターゲティング」メニューがあるところもあります。
ずっと続けてきたリターゲティングの効果が落ちてきたな、と感じたら、こちらのメニューを追加実施してはいかがでしょうか。

<参考記事>【4つの新機能】意外と活用されていない検索広告のターゲティング
https://webbu.jp/search-advertising-4596

⑥カスタム型(その他)

今まで説明してきた①~⑤の分類に当てはまらないものがこの「カスタム型」になります。
代表的なものは「LINE」です。「LINE」の企業公式スタンプなどが「カスタム型」に分類されます。

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新しいメディアや広告メニューなどがこちらに分類されます。代表的な「LINE」スタンプなどのように、直接効果を狙うというよりはブランディングや自社の「ファン」を増やす。という目的で使用されることがほとんどです。また、出稿額が高額なものも多いので、新商品や新サービスの告知などの利用されるのが良いのではないでしょうか。

以上が現在定められている「ネイティブ広告」の定義、種類でした。
冒頭にも記載しましたが、「ネイティブ広告」とは新しい広告手法ではなく、既存の広告メニューと新しい広告メニューをまとめた総称だということがお分かりいただけたでしょうか。

ネイティブ広告のメリット・デメリット

メリット1:ユーザにストレスを与えることなく訴求ができる

メディア内のコンテンツに溶け込んで見せる内容になっているため、通常の広告と違い商品やサービスの広告であることがわかりにくく、ユーザにストレスを与えず見てもらえます。

メリット2:潜在層にアプローチできる

広告記事がシェアされるとその商品やサービスを知らない潜在層にも認知させることが可能です。うまくいけば広告費を上回る効果が見込めるかもしれません。

デメリット1:コンテンツ作成に時間と工数がかかる

記事広告の場合、なるべく広告と感じさせず、他のコンテンツとあうようにデザインや文章にする必要があり、その分時間と工数がかかります。

デメリット2:クリエイティブを工夫しないとユーザが嫌悪感を抱いてしまう

ネイティブ広告は媒体になじませて広告を掲載するので、コンテンツを見に来たユーザからすると、あまりに商品・サービスの売り込みのアピールが強い内容になっていたりすると広告に対して反感を買うことになってしまいます。

広告表示ルールについて

一般的に解釈されている内容として
「ネイティブ広告」とは、記事と広告を自然に溶け込ませ、ユーザーにストレスを与えず情報を届ける広告

と、記載しましたが、「記事と広告を自然に溶け込ませ」というのは「広告と分からないように広告表示する」という意味ではありません。むしろ、「ネイティブ広告」では「これは広告である」と分かるようにするよう定められています。そうしないと、一時期問題になった「ステマ(ステルスマーケティング:広告と分からないように宣伝をする手法)」と混同されてしまうからです。

「ネイティブ広告」は「ステマ」ではありません!と大きな声で言えるようにするため、各メディアでは「広告」マークが義務付けられています。
どのように表記するかはメディアによって違いますが、多くは「PR」「プロモーション」「広告」「AD」といった表記が必ず入るようになっています。
ご注意ください。

 

まとめ

『「ネイティブ広告」ってやつをうちでもやりたいんだけど』
という言葉を聞いたら、まず何をやるべきか…。

ちょっと面倒ですが、まずは上の定義などを説明し、「ネイティブ広告」の中でも何を実施したいのか、確認いただいた方が良いかもしれません。多くの方は「インフィード型-2」をイメージされていると思いますが、その中でもメディアはいくつかあります。

また、「ネイティブ広告」に限らず、どの広告に関しても同じですが、広告を実施する目的はなんなのか、どういった層を狙っているのかも重要になってきます。
例えば、ダイレクトレスポンスを狙っての広告実施にも関わらず、「インフィード型-3」のように外部リンクへの誘導線がないメニューを実施しても効果がついてくるとは考えられません。
また、40代から50代をターゲットにしているのに、「カスタム型」のLINEスタンプを配信する、というのもターゲットがずれている気がします。
流行っているから、という理由だけで「ネイティブ広告」を実施する。という前に「ネイティブ広告」の内容に関してきちんと理解し、より効果的なメニューを選択ください。

 

【参照】
こちらの記事を書くのに下記を参考にさせていただきました。
IAB ネイティブアド・プレイブック(翻訳:デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社)
http://www.dac.co.jp/press/pdf/20140619_iab_nativead.pdf

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