ライバルに対する「差別化」で価格競争から抜け出し、LTVを最大化するために問うべき3つの質問|ウェブ部

ライバルに対する「差別化」で価格競争から抜け出し、LTVを最大化するために問うべき3つの質問

EC

 

需要に対して供給過多の時代、加熱する価格競争やクーポン、ポイント合戦、おまけやサービス合戦に疲弊しているネットショップが増えています。

 

今回は、Eコマースで生き残り、さらに売上を上げるためになぜ差別化が必要なのか?

また、あなたのネットショップが差別化を図れているかどうか?をチェックできる3つの質問を紹介させていただきます。
さらには、価格競争から抜け出し、LTVを最大化させるために、具体的にどうすればよいのか?

実例を基にご紹介させていただきますので、ぜひあなたのビジネスを次のステージに引き上げるためのヒントにしていただければと思います。

 

あなたのネットショップの差別化ポイントを見つけるための3つの質問

 

1、お客様はなぜ、あなたのネットショップで購入するのですか?

この問いに対する答えがあるかないかで、差別化ができているかどうかの判断が出来ます。

この差別化ポイントは「どこよりも価格が安い」「どこよりも品ぞろえが多い」

「どこよりも品質がよい」など、お客様の視点に立った、顧客メリットのある理由である必要があります。

この後紹介しますが、顧客メリットのないセールスポイントは、ショップ側のただの自己満足となってしまうためです。

 

2、それは競合他社にはない、もしくは、真似がしづらい圧倒的な強みですか?

どんなに魅力あるウリであっても、それが競合他社でも同じことがいえたり、

簡単に真似できるようでは差別化になりません。競合他社にはない差別化が図れていることが必要です。

 

3、その強みは明確で、かつ、お客様にメリットをもたらすものですか?

お客様視点に立っていない訴求は差別化ポイントにはならないので注意が必要です。

また、最も伝えたいメッセージは明確に1つに絞られていますか?

例えば、「創業何年の老舗」ですとか「ページのデザインがおしゃれ」といった要素は

購入を決めるプラスアルファの要素にはなるのであった方がよいですが、圧倒的な差別化にはなりえません。

図1

なぜ、差別化が重要なのか

 

差別化ができていない、つまりほかのネットショップと比べて特長のない、光る部分がないネットショップはお客様から見て選ぶ理由がないため、今後生き残ることが確実に難しくなります。

Eコマースの市場ができてから20年弱が経過した現在、市場は完全に「需要<供給」という状況になっています。つまり、消費者の需要量よりも商品の供給量の方が多いという状況です。

わかりやすく例えると、化粧品を欲しいお客様が100人いたとして、以前は化粧品を売っている場所が10ヵ所だったのに対し、今は100ヵ所になった。

つまり、お客様はいろいろなネットショップに分散するので、先行していたネットショップ以外の新規参入のネットショップに流れて売上が減っているという状況です。

その結果、多くのネットショップにおいて価格競争、サービス競争が過熱して疲弊するという状況が起きています。

そもそも差別化はいつの時代も競合に打ち勝つのに必要な要素でした。

Eコマース黎明期については「需要>供給」のブルーオーシャンだったため、商品とページ、バックヤードという受け皿があれば、あとはいかに新規の顧客と接点を持ち価値を訴求するか、その後の引き上げのCRMを実施するかという部分でアイディア・ノウハウと実行力を持った一部のネットショップだけが驚異的な成長を遂げることが可能でした。

つまり、価格やサービスではなく、集客の方法や顧客とのコミュニケーション手法が差別化につながっていました。

ところが今はネットショップの数が増え商品をどこで買うか、お客様の選択肢が増えただけでなく、ページ訴求やCRM、お客様サポートのノウハウもある程度コモディティ化して、どこのネットショップでも一定レベルのサービスを享受できるようになり、お客様から見れば、同じ商品であればどこで買っても良いという状態になりました。

当然、サービスレベルや商品品質が同じであれば少しでも安い場所で買うというお客様が増え、逆に高いサービスレベルを求め、価格は多少高くても買うというお客様はそのようなネットショップに移動していきました。

ネットショップは高付加価値高価格タイプと、低付加価値低価格タイプの2極化が進み、どっちつかずの中途半端なネットショップは成長が難しくなってきました。

そのため、より価格やサービス以外の付加価値で差別化を図る必要性が高まっているのです。

図2

差別化がもたらすメリットと実際の成功事例

 

差別化がもたらすメリットは大きく分けて3つあります。

実際の事例をもとに紹介させて頂きます。

 

1、より多くの新規顧客を獲得でき、売上成長スピードを早めることができる

新規訪問者に対し、差別化を訴求できることは購入に向けた大きな後押しになります。

なぜなら、お客様が数ある選択肢の中からあなたのネットショップを選ぶ理由を提供することになるためです。

その結果、CVRが向上し、より多くの新規顧客を獲得することができます。

例えば、カニの販売で考えてみましょう。

タラバガニの商品ページに訪問したお客様に対し、価格と量だけの訴求では余程価格で競合他社に比べ強みがなければ購入の決定打とはなりえません。

そこで、情報で付加価値を付け差別化につなげます。

例えば、

選別により身入りよいものだけを厳選している。
鮮度を保つために冷凍方法にこだわり陸揚げする前の船上で冷凍処理している。
通常の業務用冷凍庫よりも温度の低い魚介類専用の大型冷凍庫を使い、マイナス40度で保存しているから味がよい。

などの情報で「他のどこよりも味にこだわっている」という明確な付加価値を付けます。

こういった情報があるだけで、ない場合に比べ差別化による競争力を付けることができます。

 

2、より多くのリピーターを獲得でき、LTVが向上する

他店と比べ強みを理解して購入した顧客は、明確にあなたのネットショップで買う理由を持っているため、リピートしやすいという傾向があります。

その結果、単純に一時的な価格やポイントインセンティブ、他店でもマネができるサービス(返品保証やおまけなど)に惹かれて購入した顧客よりも高いリピート率につながります。

ここで、ある中高年向けの健康食品での事例を紹介します。

具体的な商品名は紹介できませんが、名前を聞けば誰でもご存知のサプリメントです。
この商品は1000円でお試し購入をすると本品1ヵ月分の内容量をお届けしているのですが、本品購入後には、定期購入50%OFFのオファーがステップメールで商品到着後・使用中・使い終わる頃に届くというよくあるパターンの自動送信を行っていました。

この方法でお客様が受け取るメッセージは、飲んで気に入ったらお得な定期購入を申し込んでくださいね。
というシンプルなものなので、もともとこのサプリを必要としていた人にはアクションを促せますが、値引きしなくてもよい人にまで値引きしてしまう上に、1000円という低いハードルで集客したロイヤリティが低い顧客への態度変容を促せるかというと疑問符が付きます。

そこで、利用中のお客様にはひたすらこの商品が他の類似品と比べて優れているポイントを訴求し、いかにこの商品がお客様のイメージするハッピーにつながるか、という訴求に絞ってメッセージを伝えたところ、もともと必要性を感じているお客様は値引きなしで定期購入へ引き上げができ、ロイヤリティの低いお客様についてはニーズを高め、それでも引き上がらないお客様については最終手段として値引きを訴求するという3段階の訴求で、見事LTVを2割も向上させることに成功しました。

 図3

 

差別化を実行するために必要なポイント

自社が差別化できるポイントを見つけるには、3C(顧客customer/競合competitor/自社company)分析に基づいて複数の確度から検討をするのが近道です。

 1、自社の顧客が魅力を感じている差別化ポイントを見つける

自社で既に獲得した購入者、中でも複数回リピートしているようなヘビーユーザが魅力に感じているポイントを訴求することは、ヘビーユーザ候補となる新規顧客や、既存の顧客をヘビーユーザに育成する上で非常に重要です。

実際にヘビーユーザが魅力に感じているポイントに共感する顧客を獲得したり、既存顧客の共感を想起させることによって顧客育成につながるためです。

ヘビーユーザの感じている魅力を、アンケートやレビューの分析によって集め、差別化ポイントを作るための材料にしましょう。

 

2、競合が行っている差別化ポイントを洗い出す

競合が差別化のために訴求しているメッセージを見ることと、実際にその訴求ポイントが競合の抱えている顧客から支持されているかどうかを確認することも重要です。

競合のECサイトの中で最も売れ筋の商品、最も露出を強化している商品のファーストビューで伝えている内容をチェックしましょう。

また、その商品のレビューをチェックして顧客が満足しているポイントを洗い出してください。競合が行っている差別化ポイントが見えてきます。

 

3、自社について差別化できそうなポイントを洗い出す

自社の顧客が魅力に感じているポイントと、競合が行っている差別化ポイントを見た上で、自社ならではのウリを、会社・商品・原材料・製造工程・こだわり・人・サービス・価格などあらゆる角度で洗い出してください。

自社の顧客から支持されていて、かつ競合にはない、新たな差別化ポイントが見えてくるはずです。

もし、ここで差別化できそうなポイントが出てこない場合は、新たな差別化ポイントを作るための根本的な見直しをしないと、その他大勢の競合他社に埋もれ消耗戦に陥ってしまいます。

競合に比べ圧倒的な資本を背景に戦えるのであれば話は別ですが、そうでない場合は見直しが必要です。

 

まとめ

あなたのネットショップでは競合他社に比べた圧倒的な差別化ポイントはありましたか?

恐らく明確な強みを一言で説明できた方は少ないと思います。

 

時間をかけてでもこのコンセプトをしっかりと固めた上で戦略とアクションを考えることが、その他大勢のネットショップから抜け出し、価格やサービスだけではなく、ネットショップそのもののファンを増やし売上成長の実現につながります。

供給量が需要を上回る時代を生き残るためには、ナンバー1を目指すこと。

そのために顧客から選ばれるよう、競合との差別化は必須要素です。

 

1、お客様はなぜ、あなたのネットショップで購入するのですか?

2、それは競合他社にない強みですか?

3、その強みはあなたとお客様の両方にメリットをもたらすものですか?

安易に価格を下げるセールを実施したり、クーポンやポイント施策を行う前に、

ぜひ、この3つの質問についてあらためて考え、ナンバー1を目指してください。

 

 

WEBマーケティングの成果を上げたい方へ

ウェブ部の運営団体である「株式会社メディックス」は、WEBマーケティングに関するコンサルティング及び代理店サービスを提供しております。
メディックスは成果を上げるために、以下の点にこだわります。

  • 徹底的な顧客理解
  • ユーザー視点でのプランニング
  • マーケティングパートナーとしてのビジネススタンス

ウェブ部の内容に少しでも興味を持たれた方は、お気軽にお問い合わせください。


ご相談・お問い合わせはこちらから

関連記事