リスティング広告代理店の選び方|6つの選定ポイント

リスティング広告(検索連動型広告)は最も広告効果の高い手法として、多くの企業に利用されています。リスティング広告を運用する代理店は国内に1500社以上あると言われており、その中から自社に適した代理店をどうやって選ぶべきか悩んでいる広告主も多いのではないでしょうか。

・リスティング広告代理店に運用を任せたいけれど、代理店の選び方が分からない
・代理店を比較する時に、何を重視すればいいのか分からない
・代理店選びにおいてよくある失敗は避けたい

本記事では上記のような悩みを抱えている方に向けて、リスティング広告代理店の選び方において重要なチェックポイントや代理店と円滑にコミュニケーションをとるためのコツ、よくある落とし穴などについて説明します。

リスティング広告代理店の手数料の相場は?

リスティング広告の運用手数料について

リスティング広告の運用を代理店に依頼する場合は手数料が発生します。
平均的な手数料は20%なので、月額予算が100万円の場合は20万円が手数料です。

代理店によっては10%~15%で請け負っている会社もありますが、十分な運用体制やサポートを得られず広告効果の悪化に繋がる可能性もあるため、サービス内容をしっかりと確認しておく必要があります。

また、手数料は取り扱う媒体や月額予算によっても変動するので、認識のずれがないように代理店の担当者とすり合わせておきましょう。

月額予算別の代理店の選び方

前述したとおり、リスティング広告を運用する代理店は数多く存在しており、その規模感は大小さまざまです。代理店と初めて取引する場合だと、打ち合わせをお願いする代理店を選ぶだけでも一苦労です。

しかし、時間を割いて打ち合わせを実施しても、求めていたサービスと異なっていたり、代理店側からお断りされたりする場合もあります。

月額の予算ごとに推奨の広告代理店は異なるので、限りある時間を無駄にしないためにも、下記の基準を目安に代理店を絞り込むことをおすすめします。

月額予算が1000万円以上の場合

月額予算が1000万円以上の場合は、大手+中堅の広告代理店に問い合わせてみることをおすすめします。予算が月額数千万円以上の場合であれば、大手の広告代理店に絞っても問題ないかもしれません。

なぜかというと、大手広告代理店の顧客は広告予算が潤沢にある大企業が多いので、1000万円ほどの予算だとエース級の社員が担当してくれる可能性は低いです。経験の浅い若手が担当したり、リソースを割いてもらえずに片手間で対応されたりする可能性があります。ただ、大手の場合は社内のノウハウ共有や教育体制が整っているため、エース級ではなくても実力のある社員が担当につくケースもあります。

中堅の広告代理店は予算が1000万円ほどでエース級の社員が担当につき、しっかりとしたチーム体制を用意してもらえることが多いです。

月額予算が1000万円未満の場合

月額予算が1000万円未満の場合は、中堅+中小の広告代理店に問い合わせてみるとよいでしょう。
効果次第で将来的に広告費の増額を検討できる場合は、実施する媒体や施策を広げる可能性があるため、リスティング以外の対応範囲(例えばSNS広告や動画広告など)も事前に確認しておくと安心です。

小規模の広告代理店の場合は、企業によって得意としている媒体や領域が異なるので、運用を任せたい媒体で十分な実績があるかどうかは確認しておきましょう。

また、月額30万円未満のような少額運用の場合は、代理店に発注せずにインハウス運用も検討してみるとよいかと思います。

 

リスティング広告代理店の選び方|6つのチェックポイント

リスティング広告以外の対応媒体・領域

業界や商材によっては必ずしもリスティング広告が最適な手法とは限りません。
ディスプレイ広告や動画広告、SNS広告など効果状況に応じて提案してくれる代理店が望ましいため、リスティング広告以外にも対応しているか・実績はあるのかを確認しましょう。

また将来的にバナーやサイトなどの制作まわりやGA4などを活用した解析まわりも同じ会社に一本化したいと考えている場合は、対応領域についてもチェックしておくことをおすすめします。

媒体の認定資格を持っているか

GoogleやYahooなど主要な広告媒体から認定を受けている代理店かどうかもチェックポイントの一つです。正規代理店になるためには各媒体が設けた「売上」や「体制」、「運用方法」などの一定条件を満たしている必要があります。

認定を受けている正規代理店の中から選ぶことによって、最低限の運用実績や運用体制を担保されるものとなり、極端な失敗は避けることができます。

・Google Partnerについて
https://www.google.com/intl/ja/partners/become-a-partner/
・Yahoo認定パートナーについて
https://marketing.yahoo.co.jp/partner/sales_partner/certified_partner/

同規模や同業種での運用実績があるか

効果を早期に出していくために、「同規模・同業種の成功実績」を持つ担当が望ましいです。
同業種の実績は聞く人も多いですが、予算規模により施策の幅はかなり変わります。
同業実績だけでなく、どの程度の予算規模・目標のクライアント運用実績があるかを確認することは重要です。

担当者はどの程度のリソースを自社に割いてくれるか

優秀な担当は売れっ子なので、よほどの規模の案件でなければ、張り付きでの運用は望めません。
どの程度集中してみてくれる環境なのかも確認しておくと安心です。

また、担当者の担当社数も判断の目安になります。担当社数が多いと、その分自社に費やしてくれるリソースが減ってしまうため、理想は2~3社、多くても10社以内が望ましいです。

中長期的な視点での拡大プランを持っているか

運用のやり方として、最初は広く配信をし、徐々に配信を絞っていくことにより、効果を安定させていくやり方が一般的です。この際に最も簡単に効果を良くするやり方は「効果の悪いキャンペーン(メディア)の配信を止める」こと。

ただし、これを続けていくと当然ながら配信量は縮小し、気がつけば指名キーワードしか残っていなかったというケースが多々あります。そうなるとクライアント企業にとってはビジネスの拡大が難しく、代理店にとって利益があがらず、双方にとってメリットがなくなります。

配信を絞っていくことは運用上必要なことですが、そこで浮いた分を拡大に回すサイクルが必要です。付き合う代理店には提案をもらう段階から「拡大のプランがあるか?」を確認しておきたいところです。

定期的に提案が貰えるか

リスティング広告はやろうと思えば様々な施策を実施できます。それなりの予算をかけている企業では多くの施策を実施しており、代理店側としてはその結果のレポーティング(報告)は大きな仕事の一つです。

それは時に20P~30Pに及ぶような資料にもなり、それだけで定例会の時間を使い切ってしまうケースもあります。そのような状況になるとリスティング広告以外のweb広告手法についてコミュニケーションする機会が少なくなり、どうしても後追いのプロモーションとなってしまいます。

リスティング広告は優れた広告手法ですが、web業界では新しい手法が日々生まれているため、定期的に旬な広告手法について提案をもらえるスキームを組んでおけるとよいでしょう。(通常定例会とは別に提案をもらうミーティングを持つ等)

リスティング広告代理店と円滑に話を進めるためのコツ

問い合わせ前に整理しておく情報

代理店に問い合わせる際に、何を伝えればいいのか迷った経験はないでしょうか。
事前に下記の情報は最低限整理しておくとよいでしょう。

・企業名、担当者名
・対象サービス:サービスサイトのURLやランディングページなど
・月額の広告予算
・現在(or過去の)実施媒体:Google、Yahoo、Facebook・Instagram、Criteoなど
・KPI:問い合わせ/資料請求/購入/来店予約など
・目標獲得単価
・開始時期
・現在の課題感(問い合わせの背景)

よくある落とし穴

課題が明確になっていない

依頼の中で課題点がはっきりしていないと、戻ってくる提案も具体性に欠けるものとなりがちです。
基本的に自社の課題を最も把握できているのはクライアント担当者なので、前述の「問い合わせ前に整理しておく情報」を参考に準備しておきましょう。

値引き率を最優先してしまう

最近は代理店のなかで売り上げよりも利益を重視する傾向が強まってきています。
いかに予算が大きくとも、値引きで利益が少ない場合は、単価の高いエース級の営業担当・運用担当を長く付けることは難しくなります。

限られた広告予算の中で効果を出すにあたり、「値引き」というのは実に魅力的に映りますが、その分自社に対するリソースが減らされてしまう懸念もあるため慎重に検討しましょう。

開示する情報が少ない

提案の際に代理店に任せた場合の効果シミュレーションを求められることが多くあります。
より精緻なシミュレーションを出すためには基となる数字の情報が必要です。

依頼をもらった際にはこちらにその数字がないケースが多いため、広告主からその基となる数字の提示をしておくと、よりシミュレーションの精度が高まります。

それが一切ない場合のシミュレーションは数字遊びにしかならない場合が多いので、そのシミュレーションを基にしての代理店選びは危険です。

短期間で一喜一憂してしまう

1日~2日程度の結果を基に説明を求められるケースがあります。
入札制・ネットワーク系のメディアでは短い期間では効果が安定しません。

あまりに短いスパンでの効果判断や要因分析は大事な部分を見落とすことにつながる可能性があるので、特に代理店移管後や新しい施策を導入した直後は一喜一憂せずに見守る姿勢が大事です。

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