【LINE担当者インタビュー】EC事業者がLINE公式アカウントを使いこなすコツとは?

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2019年9月末時点での国内MAUは8,200万人以上、日本の人口の64%以上をカバーしている国内最大級のコミュニケーションアプリにまで成長した「LINE」。2019年4月にはユーザと企業の距離を縮めるビジネス・ソリューションとして、これまでの「LINE@」「LINE ビジネスコネクト」などの法人向けアカウントサービスを「LINE公式アカウント」に統合し、機能面・運用面どちらにおいても従来と比較すると利用のハードルが低くなりました。
そこでこの記事では、LINE社にインタビューを行い、LINE公式アカウントの基本機能、効率的に活用するための目標設定、さらに、EC運営事業者を例に、どのような機能を有効活用すればよいかお伺いしました。

右:マーケティングソリューションカンパニー 広告事業本部 パフォーマンスセールス事業部 マネージャー 三節草 昂大 氏
左:マーケティングソリューションカンパニー 広告事業本部 パフォーマンスセールス事業部 第3セールスチーム 加藤 万智 氏


1・LINE公式アカウント統合後、何が変わった?

■2018年12月に新しく「LINE公式アカウント」をリリースして半年ほど経過しました。10月現在、LINE公式アカウントの利用数は、どれくらいですか?

加藤氏:アクティブアカウント数は約17万件です。アカウント統合を行って以降徐々に増加していますね。弊社としても、これまではコスト面で開設のハードルが高かったので、そこを見直し手軽に開設できるようにしたことで、実施する企業様を増やすことができました。

■実際、LINE公式アカウントはどのような企業(業種)で多く利用されていますか?

加藤氏:LINE公式アカウントは、ブランド認知、販売促進、CRM施策など目的に合わせて活用できますので、幅広い業種の企業様にご利用いただいています。
その中で多いのは、「ウェブサービス」次いで「ショッピング・小売」の順ですね。
三節草氏:小売店は店舗ごとに開設しているパターンが多いので、数としては多くなる傾向があります。

■「LINE公式アカウント」という1つのサービスに統合されたことで、具体的にどのような点で利用する側のハードルが下がりましたか?

加藤氏:大きく2点あると思います。まず1点目は、先ほども少し申し上げましたがコスト面です。従来はLINE公式アカウントを開設したら、特にメッセージなど配信せず保有しているだけでも、月間で250万円のランニングコストが必要でした。年間で3,000万円以上になるので、なかなかハードルの高いソリューションと思われていた企業様も多かったのではないかと思います。
統合後は、開設は無料、月間1,000通までのメッセージ配信は無料、5,000通までは月額固定で1万5,000円、それ以上は従量課金制という形になりました。

■コスト面はかなり下がりましたね! 実施する企業様も増えたのでは?

三節草氏:はい。このような金額設定にすることで、広告予算の少ない企業様も始められるようになりましたし、それ以外にも「ある時期だけ予算を多く使ってプロモーションを強化したい」という要望のある企業様は、プロモーションのプランを立てやすくなったのではないかと思います。
また、企業様によっては、複数ブランドにてそれぞれ個別にアカウントを開設いただくケースも増えました。

<LINE公式アカウント 料金プラン>

■もう1点はどんなことですか?

加藤氏:はい。2点目は、非常にわかりやすいメニュー内容となったことです。
これまでは「LINE@」「LINE ビジネスコネクト」など法人向けアカウントの種類が複数あり、機能もそれぞれ異なっていました。導入する企業様にとっては、どれを開設すべきかわかりにくかったのではと思います。現在は、「LINE公式アカウント」として1つに統合されていますので、わかりやすくなったという面でも利用のハードルが下がったのではないかと感じています。

2.LINE公式アカウントの機能と活用方法

■いろんな使い方のできるLINE公式アカウントですが、具体的にどのような活用をすればよいのかお伺いしたいと思います。現状はどのような基本機能があるのでしょうか。

加藤氏:イメージしていただきやすい機能としては、「メッセージ配信」「タイムライン投稿」などです。「メッセージ配信」は、アカウントを友だち追加したユーザに対して、性別・年齢・居住地のセグメントをかけて配信することができます。
「タイムライン投稿」は、追加料金なく何通でも投稿することが可能です。

<メッセージ機能>

<タイムライン投稿機能>

■メッセージ配信やタイムライン投稿は、ユーザも日常的に使っているのでなじみがありますね。これらのほかに、企業アカウントならではの機能は、どんなものがありますか?

加藤氏:「クーポン機能」「ショップカード機能」「アンケート機能」など、基本機能として様々なものをご用意しています。例えば、店舗ごとにアカウント開設をされている企業様でしたら、店舗ごとにクーポンやショップカードを使って来店促進させる、そして、アンケート集計の結果から次のメッセージ配信に活かす。といった使い方をされている企業様もいらっしゃいます。

<公式アカウントの基本機能とオプション機能>

■メディックス(弊社)でもクライアントから「運用代行をしてほしい」など依頼を受けることもあり、LINE公式アカウントをどのように活用していけばよいかわからない企業様もたくさんいらっしゃるようです。「これからLINE公式アカウント開設を検討しているECサイト運営企業」を例に、どのように手順立てを行い、活用すればよいのか教えてください。
まずはステップ1、目標設定について聞かせてください。

加藤氏:そうですね。まずは、何のためにLINE公式アカウントを開設するのか、活用目的を明確にすることが重要ですね。
LINE公式アカウントの活用目的は大枠として、「ブランド認知向上」「販売促進」「CRM施策」などが考えられます。例としてEC運営企業様の場合、「ECの売り上げが年々減少しており、新規会員の増加率も鈍化している」といった課題をお持ちだとしたら、大枠としては「販売促進」が目的として設定できるかと思います。そして、より具体的なKPIとしては、「LINE公式アカウント経由でのROAS」などが設定できるのではないでしょうか。

■それ以外にはどのような策がありますか?

三節草氏:もちろん販売促進以外にも認知向上などを目的にしてもよいですし、そのための機能も備えています。ですが、「あれもこれもやりたい」となると結果目的があいまいになって、何を優先すべきかわからなくなってしまうこともあります。
例えば、まずはECサイトへの誘導を目的に活用してみて、その後、効果検証を経て、より機能を拡充させCRM施策のフェーズに進みましょう。というようにフェーズごとに目的とKPIを明確にして運用されるのが良いのではと思います。
あいまいなままだと、実際アカウントを開設して「とりあえず友だちは集めた!でもこれからどうしよう?」という状況に陥ったりしますので、開設する前にこのあたりをすり合わせて、きちんと明確にしておくことが重要ではないかと思います。

■目標設定は明確に、大事ですね。それでは開設後、ステップ2として友だちを増やすには、どのような施策を実施すればよいか教えていただけますか?

加藤氏:友だち追加施策に関しては、複数広告メニューがあるのですが、その中で3つほど紹介させていただきます。

 

1つ目は、友だち追加数の観点では、一度の実施で一番追加が見込めるメニューが、「LINEプロモーションスタンプ」です。LINEスタンプをインセンティブとして、ユーザに友だちになってもらう方法です。

LINEスタンプは現在、1日に約5,700万人(出典:LINEプロモーションスタンプ 2019年10月~12月媒体資料)に利用されています。LINEプロモーションスタンプでは、一度の実施で最大400万ダウンロードほどが見込めます。
これまでは、数千万円ほどコストがかかり、かなりハードルが高いメニューでしたが、2019年11月には「LINE CPDスタンプ」という新しいメニューがトライアルとしてリリースされます。

 

■スタンプの新メニューが出るのですね!その「LINE CPDスタンプ」は、どのようなメニューですか?

加藤氏:CPDは「cost per download」の略、つまりダウンロードされた分だけコストがかかる従量課金制のメニューです。出稿金額は200万円からです。そして、お申し込み時に上限ダウンロード数を決めていただくことができるため、かなり取り組みやすいメニューになりました。
企業様のサイト内や会員限定メルマガにLINEスタンプのダウンロード導線を設けて、そこから既存のお客様の友だち追加を促す、といった活用方法もあります。
LINEスタンプは、ユーザ同士のコミュニケーションの中で能動的に利用され、友だちが使っているスタンプを別のユーザがダウンロードをして、というように、「進んで使われる」広告という特長があります。その結果、スタンプ用に作成したオリジナルキャラクターが人気になりグッズ化されるなど、企業様のブランドイメージ向上や販促で貢献できるケースもあります。

<LINE CPDスタンプ>

 

■従量課金制のスタンプメニューは斬新ですね。メディックス(弊社)でもお客様から「LINEスタンプを実施したくても予算の都合上できない」との声をいただくこともありましたので、実施する企業様もたくさん出てきそうですね。あとの2つも教えていただけますか。

加藤氏:2つ目は「LINEポイントAD」です。こちらはLINEポイントをインセンティブとして友だちになってもらう方法です。短期間での大量の友だち獲得も可能なメニューで、200万円から出稿可能になっています。

<LINEポイントAD>

そして、3つ目が「LINE Ads Platform (LAP) CPF」です。さらにコストを低く始められるメニューがこちらです。LINE Ads Platformを通じてLINE公式アカウントの友だちを獲得する広告商品です。このメニューは最低出稿金額がありません。
スポンサードスタンプやLINEポイントADとは違い、友だち追加時にインセンティブが付与されないので、純粋に公式アカウントに興味を持ったユーザを友だち追加できるのがメリットです。また、運用型広告のためターゲティングも細かく行うことが可能です。

<LINE Ads Platform (LAP) CPF>

■紹介いただいたメニューも、予算や目的に応じてうまく使い分けると良さそうですね。

加藤氏:はい。一度に大量の友だちを、かつ友だち獲得単価をある程度抑えて獲得したい場合は、「LINEプロモーションスタンプ」や 「LINEポイントAD」、逆に友だち獲得単価が少し上がっても、スタンプやポイントというインセンティブを付与せず、かつターゲティングをした上で友だちになってもらい場合は「LINE Ads Platform (LAP) CPF 」というイメージではないでしょうか。

■「友だち」をある程度確保できたら、次は運用方法ですね。ステップ3として、どのような情報をメッセージやタイムラインに配信すればよいのか教えてください。

加藤氏:友だちをたくさん集めても情報を何も配信しなければ意味がありません。「友だち」の中でも、「誰に対して」「どういうメッセージ」を送ると効果的なのかという2軸で考えながら配信計画を立てることが大切です
今回例に挙げたECサイト運営企業様でしたら、「友だち」全員に期間限定のセール案内を配信する。そのほかに、従量課金で配信ができるようになったので、配信料金の無駄を省くという意味でも性別年代でセグメントして商材やクリエイティブを変えてメッセージを出し分ける、という工夫もできると思います。

■自社の購買データを活用してセグメントをかけることも可能ですか?

加藤氏:はい。ECサイトでの販売促進が目的であれば、ID連携の機能を活用するのもおすすめです。
ID連携機能はAPIを実装いただくことで利用可能です。LINE公式アカウントの「友だち」と、企業側で持たれている会員情報を紐づけることができます。それにより例えば、購入履歴があるユーザに対して一定期間経過した後、同様の商材の情報をメッセージで送るという施策ができるようになります。

■セグメントを細かく行ってメッセージ配信した結果、効果が良くなった!といった事例はありますか?

三節草氏:一部の企業様からは、メルマガと比べてCTRが最大18倍程になったというフィードバックもいただいております。「ユーザ1人ひとりに最適化されたメッセージを、日常的に利用しているLINEにプッシュで送ることができる」という点で、メルマガの代替として利用いただくケースが多いように思います。

■CTRが18倍も差が出たとは驚きです。LINEがメールに比べて身近なツールである、というのももちろんあるかと思いますが、1人ひとりに適したメッセージが送れるというのがやはり大きいですよね。

三節草氏:はい。ですので、それぞれのユーザに対して、より最適化されたメッセージ配信を行うことが重要かと思います。配信したメッセージごとの効果を比較検証し、より効果の良いクリエイティブ、訴求内容を検証しPDCAを回していくイメージです。このあたりの効果検証は、LAPのような運用型広告と通ずる部分があるかと思います。
また、ユーザとしても、そのアカウントと友だちであることのメリットを感じられやすくなり、ブロック率の低下にもつながって、より長期的にユーザとつながりを持つことができると思います。

<連携イメージ>

■ステップ1~3でこれからLINE公式アカウント開設を検討しているECサイト運営企業を例にお話をお伺いしてきました。ECサイト運営企業の中には実店舗を運営されているケースも多いと思いますので、実店舗への来店を促進するための方法があれば教えていただきたいです。

三節草氏:LINE BeaconとLINE公式アカウントを使って、店舗からオンライン、オンラインから店舗へと、どちらも誘導するような先進的な活用をされているアパレル企業様がいらっしゃいます。
LINE Beaconを設置した店舗にユーザが近づくと、beaconが反応してLINE公式アカウントからメッセージが配信されます。また、友だちでないユーザの場合、その場で友だち追加させることが可能です。つまり、来店したユーザをLINE Beaconを用いてLINE公式アカウントへ誘導、また逆に、LINE公式アカウントからのメッセージ配信によりユーザを店舗に誘導することが可能です。

 

3.これからのLINE公式アカウント

■今後アカウント関連で注力していくことは?

三節草氏:今回、LINE公式アカウントの機能をいくつか紹介してきましたが、データ活用を中心に、さらに機能を拡充していく予定です。今後はより一層ユーザ一人ひとりに最適化されたメッセージ配信ができるような世界観を目指しています。
あとは、LAPとの連携の強化です。今は、LAPもLINE公式アカウントも別々の広告メニューとして独立していますが、このプロダクト間のデータ連携などをできるようにしていこうと考えています。

■最後にメッセージをお願いします!

加藤氏:LINEの国内MAUは8,200万人を超え、身近な人とのコミュニケーションツールとして日々利用していただいています。企業様のLINE公式アカウントにおいても、リアルな友だちと同じような感覚で、気軽に情報を受け取ることができます。
ほかのメディアではリーチできないユーザがたくさん存在している点、認知からCRM施策までフルファネルで活用できるコミュニケーションツールである点、この部分はLINE公式アカウントの大きな強みであると感じています。今回のリニューアルにより、開設のハードルはかなり下がりました。様々な機能を備え、目的に応じた活用が可能ですので、企業様の予算によって、いろいろな施策を実行していただけるかと思います。これまで、予算面でLINE公式アカウントの活用ができなかった企業様にも、どんどんチャレンジしていただきたいと思います!

 

 

 

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