インフォマーシャルの費用対効果を決める3つの要素と、間接効果の考え方について

通販をされている方なら誰もが聞いたことがある単語とは思いますが、実際に活用をされている企業はまだまだ少ないのがインフォマーシャルです。

今回の記事では、そもそもインフォマーシャルとは何か、どんな活用をすれば費用対効果を高めることができるのか、どうやって費用対効果を分析すべきかというテーマでお話させていただきます。

■そもそもインフォマーシャルとは?

インフォマーシャル(Infomercial)とは、インフォメーション (information) とコマーシャル(commercial)を合わせた造語で、元々はアメリカで生まれたテレビショッピングのジャンルとして登場した概念です。

商品の購買意欲を高めるために、商品のデモンストレーションや体験談などを盛り込んで構成されていてバラエティー番組や情報番組などの手法を用いて制作されているのが特長と言えます。

近年では単にテレビショッピングのみでなく、Eコマースのチャネルや紙媒体など複数のチャネルと組み合わせて活用されています。

■インフォマーシャルのメリットとデメリット

インフォマーシャルの活用に関してTVコマーシャルやEコマースと比較した際の、メリットとデメリットを紹介します。

メリットとしては、優れた(消費者のレスポンスを期待できる)商材であれば、TVの広いリーチを活用して一気に通販事業をスケールさせることができる点です。

デメリットとしては、出稿費だけでなくまとまった制作費や、受注のためのコールセンタの準備などが必要なため、気軽に試すことが難しく、費用が高額になる点があげられます。

メリット

デメリット

■インフォマーシャルの費用対効果を決める3つの要素とは?

①どんな尺を選ぶか?

インフォマーシャルの尺(放送時間)は、「60秒」「120秒」「300秒」などといった短いものから、「30分」「60分」といった長いものまで様々です。

では、どんな尺を活用するのが、費用対効果がよいと言えるのでしょうか?

60秒では短すぎて情報量が少なく、十分なレスポンスが期待できないことは容易に想像できると思います。

また、60分では情報量は増やせるものの、費用が高すぎて費用対効果をあわせづらくなるでしょう。

そのため、最初から長い尺を買うのではなく、一般的に費用対効果が高いと言われる120秒あたりでテストを始めるのがよいでしょう。

②どんな番組で実施するか?

どんな番組でインフォマーシャルを流すかは、どんなターゲットに見せるかということと同じで非常に重要な問題です。

例えば、主婦向けの番組で男性向けのインフォマーシャルを流してしまっては、ターゲットとメッセージがちぐはぐになって、十分なレスポンスは期待できないでしょう。

出稿する商材のターゲットにあった相性のよい番組を選ぶことで費用対効果が1.5倍になるということはざらにあります。

③どの時間帯に実施するか?

放送する時間帯も重要です。これは②のターゲット選定とも被りますが、ターゲットが視聴している時間帯を狙うのがセオリーです。

例えば、高齢者をターゲットにしているのに深夜遅くに出稿するよりも、早朝に出稿した方がレスポンスがよいというのは想像に難くないでしょう。

■インフォマーシャルを活用すべき事業規模は?

前述したようにインフォマーシャルは事業をスケールできるというメリットがある一方で、費用が高額になりがちなので、あまり小規模であったり、成長ステージに乗っていない企業が出稿するのは考えものです。

インフォマーシャルを活用するステージの目安としては、ウェブや紙媒体ではすでに一定規模の出稿を継続的に実施し、目標とする獲得単価で新規顧客を獲得できているものの、成長率が頭打ちになり始める前ぐらいがよいと言われています。

目標とする単価で新規顧客を獲得できていなかったり、ウェブや紙媒体で地道に規模を大きくする余地があるにもかかわらず、成長を急ぐあまり甘い見込みでインフォマーシャルに走ってしまうと、十分な費用対効果を上げることが難しいばかりか、大きな損失を出してしまうケースも見られるので注意が必要です。

■インフォマーシャルの費用対効果分析は間接効果の計測も重要

インフォマーシャルには直接効果と間接効果があります。

直接効果とは、インフォマーシャル放送中や放送後に表示していた申し込み方法(電話やファックスなど)で直接注文があったものを指し、一方で間接効果とは、例えばそれ以外のネット検索を経由した注文を指します。

直接効果は計測が容易ですが、間接効果は自然検索やウェブ広告などとレスポンスが混ざってしまい計測が難しいと言えます。

これらの間接効果については、放送時間や放送地域と、流入チャネルや注文者の住所などの複数の要素がウェブの注文にどれだけ影響しているかを分析することで導き出すことができます。

例えば、1日の23時から30分間、インフォマーシャルを流したとします。

電話注文が100件来たとして、これが直接的なレスポンスですが、間接的なレスポンスとして、インフォマーシャルで紹介した商品名を検索して自然検索で30件、外部サイト(自社のコーポレートサイト)経由で10件、リスティング経由で60件の注文が、普段の同時間帯の注文より増加していたら、これはインフォマーシャルの間接的な効果と言えるでしょう。

直接効果だけでは費用対効果が合わないと判断していた出稿も、直接効果と間接効果を合算したレスポンスでは費用対効果があっていたという判断をすることができます。

■まとめ 

EC事業を早く成長させたいという想いも重要ですが、ウェブや紙媒体でうまくいっていないものはインフォマーシャルでも必ず失敗します。

まずは、PDCAが回しやすく、比較的小規模な予算からトライできるウェブや紙媒体での出稿で成功パターンを固めた上で、インフォマーシャルを活用して事業のスケール化を狙う、これが王道パターンと言えるでしょう。

インフォマーシャルならではのメリットを活かし、事業成長のためにうまく活用いただければと思います。

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