うんざりするほどフィード広告案件を見続けでわかった!フィード広告運用の「落とし穴」

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ウェブ広告の様々な手法の中でも、近年、特に盛り上がりを見せている新しい手法が、データフィードを基に広告配信を行うフィード広告です。Criteo、Googleショッピング広告(PLA)、Facebookダイナミック広告などが主なメニューに該当します。 フィード広告も検索連動型広告やディスプレイ広告と同様に、運用型広告の1つと考えられるようになってきましたが、まだまだ新しい手法のため、運用で何をしたら良いか詳しくわかっていない方も多いと思います。

この記事では、フィード広告のアカウントを100社以上見てきた弊社のコンサルタントが、その経験を基にした運用のポイントについてお伝えします。
※2017年11月14日(火)にweb担フォーラムでの弊社の講演と同内容のコラムとなります。

【フィード広告運用の落とし穴1】フィード広告で運用できることは少ない?

検索連動型広告と同じように様々な対策が打てる

フィード広告は、「一度設定した以降は、何もする必要がない」「入札調整だけしていれば良い」「下手にいじらない方が良い」と思っている人もいるかもしれませんが、実は違います。

Webマーケティング担当者であれば、おなじみともいえる手法である検索連動型広告などの運用型広告と同じように、掲載中でもしっかりと運用・メンテナンスを行うことでさらに効果が上がってくるものであるともいえるでしょう。

ただし、フィードをただの「商品データ」として扱うのではなく、

(1)フィード=クリエイティブ

(2)フィード=キーワード

(3)フィード=グルーピング

という観点でとらえて、メンテナンスしていくことが非常に重要です。

それぞれ、例を出して詳しく説明します。

(1)クリエイティブ

まずはバナークリエイティブでの工夫を紹介します。  

<不動産の事例>

上左のバナーを見てみると、この物件の良い点、特長がわかりづらいですよね。そこで、上右のバナーのように、フィードの情報の中から、ユーザが興味を持つ項目(物件所在地、金額、間取りなど)を取りだしてクリエイティブに活かしました。

ユーザの知りたい情報が表示されれば、当然「どんな物件なのだろう?」と詳細が知りたくなりますので、CTRも増えていきます。

実際、弊社のお客様でも同様の施策を行い、CTRが37%程度改善しました。

(2)キーワード

続いて、キーワード(タイトル・商品名)に関する工夫です。こちらは、Googleショッピング広告を例に説明します。

例えば、お米を「お米 通販」で検索した人に向けて、下のような広告文を出したとします。

「米」という実際のユーザが検索した文言を盛り込むことで、その検索ワードでのインプレッションが増えるのですが、こちらの広告文には含まれていません。

そこで、キーワードを盛り込んでみましょう。

このような対策を行うことで、インプレッションも増加し、また、ユーザの検索した文言が広告内に現れるのでCTRも改善します。

(3)グルーピング

こちらも、Googleショッピング広告のカテゴリを例に説明します。

Googleショッピング広告にはデータフィードの中に、「プロダクトタイプ」や「Googleプロダクトカテゴリー」といった項目があり、これらの項目を元に商品グループを細かくグループ分けすることで、入札調整がしやすくなります。
また、「Googleプロダクトカテゴリー」はGoogleで決められた約5500個の商品カテゴリを設定する項目ですが、これをきっちり設定するとインプレッションの増加も期待できます。

弊社のお客様でも、下図のように細かい設定に変更した結果、インプレッションが140%増加した事例があります。

フィード広告は「1度設定したら終わりで、あとは掲載しているのを眺めるだけ」ではなく、検索連動型広告と同じように、

「どんなクリエイティブにするとクリックしたくなるか?」
「検索キーワードとの関連性を高めるためにはどうしたらいいか?」
「より的確な入札調整ができるグルーピングとは?」

を考え都度修正していく。そのような流れを運用フローに乗せると、広告の効果アップも期待できます。

【フィード広告運用の落とし穴2】フィードデータの見方(分析方法)が間違っている?

カテゴリ単位ではなく商品単位で細かくデータを見てみる

フィード広告は、【フィード広告運用の落とし穴1】でお伝えしたように、運用型広告と同じでPDCAを繰り返して効果を良くしていくものです。そこで、広告掲載結果を分析して、分析結果に応じた対応策を行っていくことも必要です。

しかし、広告掲載結果を分析するに当たり、データの見方が間違っているケースが多々あります。おそらく、入札調整をする際は、各媒体からカテゴリやキャンペーンといった大雑把な単位でデータを落として、どのカテゴリが良い悪い、という判断をしているのではないでしょうか。

例えば、下のようなデータを見て、効果の良いカテゴリは入札を上げて、露出を強化する。逆に悪ければ、入札を下げて、露出を減らすなどし、調整を行っているのではないでしょうか。

ただし、このような分析をしていると、下のようなことが起こりえます。

カテゴリAのキャンペーン効果が良かったので、入札を上げCPCは30円から思い切って60円に設定しました。その結果、CVは微増したものの、CVRは落ちてCPA/ROASも低下、CV数も増加は少しでした。「効果の良いキャンペーン・カテゴリがあれば入札上げて、逆に効果の悪いものは下げる」とセオリー通りにやっているはずなのに、思うように効果が上がらない。

なぜでしょうか?

カテゴリAの中には色々な商品がありますが、カテゴリAの入札を上げるということは、その中に含まれるすべての商品の入札を上げることになります。しかし、実際は商品すべての効果が良いわけではなく、その中の一部の商品だけが効果が良かったのです。本来であればその商品のみ入札を上げたいところですが、フィード広告の多くはカテゴリ単位での入札になってしまうため、効果の悪い商品に対しても入札を上げてしまう可能性があります。

そうなることを防ぐためには、商品ごとにデータを分析して運用していくことが必要になるのです。

では、商品単位でのデータを分析するにはどうしたら良いのでしょうか?

解析/計測ツール(Google Analytics等)と連携し、商品のリンク先URLに商品固有のパラメータを設定することで、分析ができるようになります。

まずは、カテゴリ単位で分析して改善策を実施する。それでも効果がでない、という場合は、商品単位まで細かくのデータを分析するのが良いでしょう。そして、商品単位でデータを見ることができるようなったら、これまでとは違った軸で再集計してみることをおすすめします。

下はECサイトの例です。スニーカー、アウターなど商品ジャンル軸でデータを見ていたものを、ブランド別や商品単価別で分析してみると、それぞれの軸でどんなものが売れたのか?や、CV数やCVのこれまで見えなかった新たな発見をすることができます。

そして、分析結果を元に、カテゴリ設計やキャンペーン設計を組み替えて運用をするのもよいでしょう。

大雑把なカテゴリ単位のデータだけで判断し、入札を行うのは情報不足の場合があります。入札調整はしているが効果が出ず伸び悩んでいる場合は、解析/計測ツールと連携して、商品単位などの細かい単位でデータを分析してみましょう。

【フィード広告運用の落とし穴3】ダイナミックリターゲティング広告で新規ユーザは獲得できない?

ダイナミックリターゲティング広告は工夫次第で新規ユーザ獲得は充分可能

フィード広告の中でも、CriteoやGoogle AdWordsの動的リマーケティングを代表とした、ダイナミックリターゲティング広告(レコメンド広告)は、1度サイトに訪問したユーザ(ある程度購入意欲の高いユーザ)に対して広告を配信します。

下図のような仕組みとなっています。

  • ユーザがECサイトを訪れた際に各ページで各媒体のタグが動作します。
  • タグからユーザの閲覧履歴や購入履歴が各媒体に送信され、行動ログデータとして蓄積し解析されます。
  • ユーザがサイトを離脱して、その後そのユーザが別のサイトに訪れたとき、以前見たことのある商品や興味のある商品がバナーに表示される。
  • そのバナーの該当商品をクリックすると、その商品ページに遷移。

このように、ユーザごとに最適な商品が表示されると効果が出やすいと言われています。

なぜか?というと、

  • すでに来訪しているユーザごとに、レコメンドができる。
  • 商品ページへダイレクトに集客が可能。
  • 複数の商品から選べるようなクリエイティブ構成。

このような特性が、クリックしやすくなる要因と思われます。ただし、リターゲティングという特性上、当然のことですが訪問履歴のないユーザにはレコメンドできない。つまり、新規ユーザの獲得には向いていないとも言えます。

ですが、ダイナミックリターゲティング広告(レコメンド広告)の運用で得た知見を、ちょっとした工夫で活かし、成功した事例がありますので紹介します。

まず、下のようなディスプレイ広告のバナーを掲載し、CTRを比較してみました。

一番上のバナーは、ダイナミックリターゲティング広告(レコメンド広告)によく表示されるような、ダイナミック(動的)に見せかけてデザインしたスタティック(静的)なバナーです。※実際はユーザごとに最適化されていません。このようなバナーと2番目、3番目のスタティック(静的)なバナーを同時に掲載して比較するとCTRにこれだけの差があることがわかりました。上の例のように、複数の商品から選べるようなクリエイティブ構成のバナーのCTRが高いのであれば、リターゲティング以外の配信方法でもデータフィードを活用できるのではないかと考えました。

ある不動産サイトで実施した例を紹介します。

このサイトでは、これまでは全国の物件が入ったデータフィードを基にダイナミックリターゲティング広告(レコメンド広告)を配信していたのですが、新たに新規ユーザの獲得をするにはどうしたらよいか、このデータフィードをどう活用するかを考え、結果、以下の施策を行いました。

ユーザは、住んでいるエリア近くの広告が表示されていることで、興味を持ちクリックしてくれる確率が高くなるのでは?という仮説のもと、データフィードをエリア別に細分化、さらにそれぞれの地域をセグメントした地域配信で新規ユーザに向けた広告配信を実施。実際に試してみたところ、やはり、リターゲティングで配信してなくても、ダイナミック風な広告のほうが、CTRが高い結果となりました。

ダイナミックリターゲティング広告(レコメンド広告)では、新規ユーザの獲得は難しいものの、フィードの細分化と配信のターゲットや、クリエイティブを工夫次第で、新規ユーザの獲得がより効率的にできます。

上記の施策も、効果改善に向けて実施してみてもいいのではないでしょうか。

まとめ

今回は、以下の3点をお話しさせていただきました。

フィード広告は運用でできることが少ない?

検索連動型広告と同じように様々な対策を打つことが可能

データの見方が間違っている?

カテゴリ単位ではなく、商品単位で細かくデータを見る

ダイナミックリターゲティング広告(レコメンド広告)で新規ユーザは獲得できない?

フィード×ダイナミック風クリエイティブで新規ユーザ獲得はより効率的になる

フィード広告はここ2~3年で誕生し、まだ明確な「これをすれば効果が上がる」という答えがあるものではありません。どんな運用が一番良いのか、試行錯誤しながら探していく、そんな段階にある広告手法です。効果が良いと言われている今こそ、更にその先へいくためにはどうしていけば良いか、様々なトライアンドエラーを重ねていき、広告効果をさらに改善していくことが大事だと考えています。

こちらをお読みいただいている皆さんもぜひ、日々そのようなことを考えながら取り組んでいただければと思います。

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