徹底解説!DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?

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近年、ITの進化に伴い、さまざまな企業が注目視している、デジタルトランスフォーメーション(以下DX)。インターネットニュース等で目にする機会も多く、書籍などで取り上げられる回数も増えてきました。しかし、実際のところDXに値する定義とはどういったことなのか、また導入をすることで得られるメリットや必要性の有無など、詳しく知られていないのが現状です。
この記事では、DXの定義を確認し、従来のIT利用とことなる点や、今DXへの取り組みが注目視されている理由について解説します。

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?

経済産業省では、DX(デジタルトランスフォーメーション)について、以下の定義を発表しています。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、
顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、
業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。

出展:「DX 推進指標」とそのガイダンス(2019年7月)

そもそもDXという概念は、ここ数年で提言されたものではありません。
2004年にスウェーデンの大学教授「エリック・ストルターマン」氏が述べた「進化し続けるテクノロジーが、生活を良くする」という言葉が原点だといわれています。

経済産業省が掲げた定義の要約も、「ITを活用し、ビジネスに関わる全てを良い方向へ導き、国内外で優位に事業を続けられるように」という意味が込められています。DXは単にデジタル化を推奨するのではなく、デジタル技術による組織や業務プロセス、企業文化・風土等に変革をもたらす取り組みです。
DXには多数のメリットが存在する一方、取り組む企業数が決して多くはないことから、経済産業省が先に定義を含むガイドラインを発表し、テクノロジーの変化に対応するよう働きかけました。

DX(デジタルトランスフォーメーション)導入の必要性

DX(デジタルトランスフォーメーション)導入の必要性で注目したい内容は、大きく以下の3点です。

・モノ消費からコト消費へ変化
・既存システムの複雑化やブラックボックス化問題
・経済損失が生じる「2025年の崖」という言葉

これら3点をひも解き、以下DXの必要性について詳しく述べます。

「モノ消費」から「コト消費へ変化」

これまでの大量生産や大量消費社会において、製品を購入し所有する「モノ消費」が一般的でした。
しかし、近年のデジタル化やIT技術の発展に伴い、モノの所有よりもサービスの情報・体験の入手が注目された「コト消費」が重要視されるようになりました。
たとえば、音楽を聴くのにCDを購入するのではなくストリーミングサービスやサブスクリプションサービスを利用する、車を購入するのではなく必要なとき必要な時間だけレンタカーを利用する、といったように人々の価値観の変化が「コト消費」へと変化しているのです。

これらの変化や消費者のニーズを敏感にとらえ、「コト消費」を加速させるためにも、DX導入は重要だと言えるでしょう。

既存システムの複雑化やブラックボックス化問題

日本企業のITシステムは、過剰にカスタマイズされている傾向があり、社内のデータがブラックボックス化されている状態であることが少なくありません。そのような状態ですとシステムが複雑で煩わしくなるでしょう。また、部署間を横断してのデータやりとりが困難、または活用できないといったことが起こりえます。この状態から改善策を見出せないでいると、変わりゆく市場変化への対応に遅れをとってしまうでしょう。
デジタル競争において不利になるのは明確なため、DX導入は必要条件となるのです。

経済損失が生じる「2025年の崖」という言葉

日本企業の多くのITシステムは、古い技術のシステムで構成されています。ですので、故障により代替が利かない、故障などに対応できる技術者確保が困難であるなどの問題を抱えています。一方で、既存システムのまま何も問題がなければ、このままでも支障がないと考えています。
しかし、そこで知っておいてほしいのが「2025年の崖」という言葉です。
「2025年の崖」は、2018年9月に経済産業省から発表された、「DXレポート」という資料が公開され世に広く知られるようになった言葉です。その資料の中では、日本企業がこうした「負の遺産」を解消し、システムの刷新を集中的に行わなければ、2025年以降、日本経済に年間最大12兆円の損失が生じるといった内容が記述されています。
12兆円という損失額は、現在の3倍にあたる金額で、このままでは崖から転び落ちてしまうのは明確だという意味から、「2025年の崖」といわれるようになりました。
システムの老朽化に対応できない結果、サイバー攻撃やシステム障害の被害に合うのはもちろん、データ損失のリスクも増すでしょう。
DX導入を実現できなければ、国際的にも遅れを取ってしまうことはほぼ明確です。

既存システムの継続で起こるリスク

前章で解説した年間12兆円の損失について、実際企業に与える損失というのはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、既存システムを利用し続けることで起こるリスクについて解説します。

技術コストが上昇する

2025年には、企業で使用されているシステムのうち、約6割が21年以上前から使用されているものになると予測されています。
21年以上も前のシステムとなると、当時のシステム開発のメンバーの高齢化や退職により、複雑なシステムについて知識を蓄えている人材が社内に在籍しないということも多くいでしょう。そのため、システム維持のために技術者を再度雇用したり、専門の人材を育成したりコストが上昇する恐れがあります。

市場の変化に対応できない

自社特有のカスタマイズ化されたシステムのまま稼働を続けるほど、新しいシステムへの移管がより困難になります。
市場の変化や新しい事業が展開されると旧システムが足かせとなり、日々移り変わる市場に追いつけず、デジタル競争に足も踏み入れることができなくなるケースも予想されます。金銭的な面でも大きな損失となってしまうため注意が必要です。
旧システムを使い続けることよりも、今の市場に寄り添ったシステムへと柔軟に対応できることこそが、デジタル競争で生き抜くために必要なことといえるでしょう。

DX(デジタルトランスフォーメーション)導入のメリット

ここまで、DXについての定義や必要性について解説してきました。DX導入の判断は、早ければ早いだけ市場で生き残ることができます。
そのために、導入することによってどのようなメリットがあるのか以下説明します。

業務の生産性と利益が向上

DXを導入することで、業務の生産性やビジネスの利益の向上が期待できます。
これまで行っていた業務の自動化や、クラウドシステムの活用により社内の情報共有がより円滑に行うことができると、社内メンバーの働きやすさ向上にもつながるでしょう。

データ活用により販促力が向上

各企業などで所有するデータを、今後の販売促進のプロモーション活動や、新製品開発に活かす場面でもDXは欠かせません。消費行動の変化に対応したビジネスにつながりやすくなることも、DX導入で得られるメリットの1つです。

サイバー空間でつながる世界を実現

各方面で、すでにITによる変革は行われています。例えば警備会社では、防犯カメラのセキュリティシステムにAIなどのロボットを活用し作業の効率を図ることができます。またDXを浸透させ推し進めることで、各業種・各企業の技術同士が結びつき最適化され、生活する現実空間と、AIなどで構築されたサイバー空間とが「つながる世界」が実現できるのです。

DX(デジタルトランスフォーメーション)に成功している企業の共通点

DXをただ実行しただけでは、IT化を促進させ変革させることは難しいでしょう。
しかし、DXに成功し変革を遂げている企業も、もちろん存在しています。成功している企業には、どのような特徴があるのでしょうか。以下、5つの共通点です。

1. デジタルに精通している人物をリーダーとして任命、各部署に配置させている
2. 将来の労働力への変化を見極め、組織の能力向上を意識している
3. 働き方改革により、従業員の生産性を向上させている
4. 定期的にデジタルツールをアップデート、社内のアップグレードを怠らない
5. 新たなシステムをむやみに導入せず、旧システムを見直しつつ、徐々に新体制を構築している

共通点からわかるように、DXは徐々に組織を変革させ、新しい事業スタイルへと転換していく必要があります。
何段階もステップを踏みながら実行しなければならないため、実現には時間がかかることを念頭に置いておくといいでしょう。そのため企業に求められるのは「長期的な戦略内容」で、国内外にアンテナを張りつつも、リソースを的確に割り当てる能力と、迷わない意思決定を行えるかどうかです。
データを上手く活用しつつ既存ビジネスの変革を行い、その傍ら新規事業を開拓することで、市場で生き残りやすく、国際的にもデジタル競争を勝ち抜いていけるでしょう。

まとめ

ここまでDX(デジタルトランスフォーメーション)について解説してきました。

いずれ訪れる2025年に生き残り超えていくためにも、早めのDX導入を念頭に、急な社会の変化に取り残されることのないよう、各企業での取り組みについて再度見直してはいかがでしょうか。

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