CPA5分の1も実現できる!?DSP運用のノウハウ大公開

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アイキャッチ_025【ディスプレイ】DSP 運用_内田

DSP(デマンドサイドプラットフォーム)は2012年を元年として、現在(2014年8月現在)では多くの広告主において利用されており、手法としては「トライアルフェーズ」を抜けて「運用フェーズ」に入っている。

そんな中、DSPの効果については苦しんでいる例も少なくない。

運用型広告が増大する中、運用リソースは逼迫しがちである。DSPの効果向上のためには、DSP自体の配信の仕組みや各社のDSPの特徴を把握し、手をかけるべきところに効率的に手をかけていき、継続的に運用できる体制を構築することが重要であるため、本稿ではそのポイントについて解説する。

1、DSP広告配信の仕組み

DSPを効率的に運用するためには遠回りに見えるが、まずはDSPを通じて広告が配信されるまでに仕組みについて理解する必要がある。
基本的なDSPの配信までの流れは以下のようなものである。

01_DSP運用

 広告が掲載されるまでにはいくつもの経緯があり、その複雑な仕組みを構築するため、入札はRTBという自動入札方式をとっている。

 ■RTB(リアルタイムビッティング)って実際どうなの?
DSPを通じての配信の目玉機能として語られることが多いRTB。
ターゲットに対してピンポインに無駄なく配信する仕組みで、DSP導入当初は分析エンジンとRTBの働きにより「自動最適化」的にCPAを始めとする効果指標の向上が期待された。
ただ、実際体感している限りでは、従来のアドネットワーク的な買い付けを行っているものと効果的に驚くほどの差はなく、これを持って運用の切り札とはならないと感じている。
実際の裏側で行われていることも運用者の立場ではコントロール不能なので、RTBは優れた買い付け方法という認識は持ちつつも、「運用の最適化」のメソッドとしては考慮しない。

 ■配信量(優良掲載面に掲載する)を決める要素は何?
DSP・アドネットワークに関わらず、最終的に広告を掲載するか否かを決めているのは「メディアが儲かるかどうか」という要素。ネットワーク広告を運用するにあたり、この点を認識しておくことは非常に重要。

02_DSP運用

上記の図にあるように競合するクライアントが同じターゲットに対して、同じクリック単価100円を入札している場合でも、間に入る配信までの関係者によって、メディアの取り分が変わり、最終的にメディアに渡す金額が多くなるクライアントの広告がそのメディアに掲載されることになる。

■「配信単価を下げる」とどうなる?
弊社も広告主から「効果が悪いので、配信単価(CPMもしくはCPC)を下げて欲しい」との依頼をもらうこともある(運用者がそうする場合も多い)。その場合に広告主(及び運用者)が期待していることは配信単価を下げることによる、CPCの低下、それに伴うCPAの向上であることが多い。

 ただ、実際にはそうならないケースも多くある。なぜだろうか?

 それは上記の改善ロジックがimp(配信量)・CTR(クリック率)・CVR(コンバージョン率)が変わらないことを前提にしているからである。

 その前提が崩れた場合、以下のような結果になる可能性がある。

 03_DSP運用

上記の例では、確かにややCPAは改善したものの、主要数値が軒並みダウンしており、獲得件数が大幅に減ってしまっている。これでは運用により、改善したとは言い難い。
この現象は前述の例に照らし合わすと、入札100円の場合はCPM\500、入札70円の場合はCPM\210と30円入札を下げたことにより、CPMは半分以下となってしまっていることにより、優良メディアでの掲載が落ちてしまい、
このCPM価格で掲載できるメディアでの露出になってしまっていることがCTR・CVRの低下から想像できる。
つまり、掲載面が変わることにより、「impの質」が変わってしまっていることになる。
純広告においては掲載される面が固定されていたため、「配信単価を下げる」=「値下げ」という単純な構図が成りたったが、ネットワーク広告においては「配信単価を下げる」≠「値下げ」である。
状況にもよるが、「配信単価を下げる」という運用が上記のような仕組みにより、広告主・広告会社・プラットフォーマー・広告メディアそれぞれにとってビジネスをシュリンクさせる結果になる可能性もあることを認識するべきであると考える。

2、DSP各社による最適化ロジックの違い

 2014年8月12日現在、各社より様々なDSPがリリースされている。
それぞれに特徴はあるが、「運用」することを軸に考えた場合、大きく2つの種類に分類できる。

 天才型:
※大部分をエンジンの賢さ(ターゲティングロジック)によって効果を上げるタイプ

 ・「MicroAd BLADE」https://www.microad.co.jp/service/blade/

・「Rocket Fuel」 http://markezine.jp/article/detail/16615

努力型:
※ベースの最適化機能は持ちつつも、人的な設定により効果を上げるタイプ

・「Doubleclick Bid Maneger」(DBM)
http://www.google.co.jp/doubleclick/advertisers/solutions/demand-side-platform.html

 ・「Scale Out」 http://www.scaleout.jp/scaleout-ad-platform/dsp/

 天才型は努力型に比べ、運用に手間がかからないという利点があるが、うまく最適化が働かない場合の立て直し(効果改善)が難しい(運用者の手を加えられる部分が少ない)という難点がある。
努力型はその逆の特徴を持っており、運用者のたゆまぬ改善を基に効果を上げていく。
DSP実施の場合、効率の観点では天才型でうまくいくに越したことはないが、継続的に安定した効果を持続させていくには努力型で運用の型を持っておくことが重要。

3、運用の優先度

 運用広告における運用は様々な手法(やり方)があるが、時間もリソースも有限であるため、何からやるかの優先度を決めて、運用していく必要がある。それが前述の「運用の型」というもの。
それを決めるにあたっては、ネットワーク広告運用における項目別の改善影響度を把握しておくことが役に立つ。

【一般的な改善項目別影響度】
①  ターゲティング 
②  配信面(メディア)
③  バナークリエイティブ/LP(ランディングページ)
④  フリークエンシー設定
⑤  時間帯配信/曜日配信等の設定

※弊社実績による集計結果
特に①・②については影響度が大きく、例えば①では「すでに自社サイトに訪問済み」のユーザーと「自社サイトに未訪問」のユーザーでは大きくCTR・CVRが違い、更に「1日前に」×「自社サイトに訪問済み」のユーザーなら基本的に更にCTR・CVRの上昇率は上がる。
②も「配信面」によるベースとなるCTR・CVRの違いは確かに存在する。「人」のターゲティングは①でやりつつ、「面」の精査もすぐに数字を変化させられるという意味で影響力は高い。

 広告である以上ターゲティング・配信面が重要であることは間違いなく、キャンペーンの構成や配信カテゴリ、リターゲティングのリスト設定はしっかりと行う必要がある。

 スタートアップ時は1社だけからではなく、複数社からターゲティングの案を出してもらい、説明を聞き、納得
したものでアカウントを構築していくやり方がおすすめ。

 ただ、現状は多くの企業ですでにターゲティング・配信面部分については何度も見直しをかけ、ある程度のレベルで最適化されているケースが多い。そこに余地があれば、まず着手するべきだが、現状ではターゲティング以降のクリエイティブやフリークエンシー設定まで手が回っていないケースが多いので、ここの伸びしろが大きいアカウントが多い。

 着手の優先度は上記を参考に行い、優先度の高い項目の達成度をチェックしながら、運用を行っていけば、効率的に効果をあげていけるはずである。

■運用のコツ

 運用項目も様々あるが、ここでは運用をテコ入れし、改善した例を紹介する。

 ①  マイクロCVポイントの設定
主に天才型のDSPにおいて、良く起こる問題だが最適化するポイントを最終CV(購入や資料請求完了等)に設定している場合、月で発生するCVが著しく少ないケースがある。

 ※最適化するべき対象のCV数はDSPにもよるが常に直近の数字を参照する仕組みのものが多いので、長く利用していたとしても、月毎の数字が少なければ最適化は正常に働かない(積み重ねにはならない)。

 それを解決するため、最終CVポイントよりも浅い階層にCVポイントを置き、CV数を増やすことにより、天才型の優秀な配信ロジックを正常に機能させる方法がある(主に申し込みフォーム等に設定されることが多い)。

●参考 マイクロCV(最適化用CV)ポイント設定事例

 04_DSP運用

 

※こちらもDSPによるが、1キャンペーン(配信セグメント)毎に20件/月以上のCV数が天才型DSPを機能させるのに適していると言われている。

 ② 課金形式の変更
弊社で提案をしていても、SEM(検索連動型広告等)に慣れたクライアント様が多いため、営業・クライアント含め、課金形式は「クリック課金型」が好まれるケースが多い。
ただ、DSP運用によってはCPC課金であっても、前述のように最終的にはCPM(1,000回表示あたりの広告単価)に直してメディアに対して入札が行われている。
最近は「CPC課金」と「CPM課金」のどちらかを選ぶことができるDSPも出てきているため、「CPC課金型」で結果の出ていないケースの場合は、少し遠回りに感じるかもしれないが、課金形式を「CPM課金」に変えることにより改善が進むケースもある。

■CPC入札の場合のCTRによる最終入札CPMの違い

05_DSP運用

CPC課金をCPM課金にすることによる第一のメリットは「露出(imp)が出やすくなること」。メディアに掲載される最終評価指標がCPMであることから、間接的なCPCよりも直接的にCPMで入札をコントロールすることにより、露出を拡大しやすい。
ただ、CPM課金にすることにより、クリックされないimpについても課金されるようになるため、バナーやテキストのクリエイティブは今まで以上に重要となる。
露出を拡大した上で、クリエイティブでCTR(クリック率)を高めることにより、今まで入札していたCPCよりも結果的に安く流入を獲得することができるケースもある。

 ※露出は多くの場合増える。

 ③  フリークエンシー回数の設定
業種・サービス・クリエイティブにより最適な回数が異なり、設定が難しいため、設定されないケースも多いフリークエンシー設定(1人のユーザーにバナーを見せる回数)ですが、回数により効果は大きく違っているケースもある。

■フリークエンシーによるCTRの違い事例(doubleclick bid Maneger事例)

06_DSP運用

どの企業でも基本的には少ないフリークエンシー回数のCTRが高いが、着目するべきは企業により、CTRの大きく落ちる回数が異なる点。
自社のサービスがフリークエンシー何回以降からCTRが落ちるのか、もしくは何回以降は成果が発生していないのかを確認し、その数字をフリークエンシー設定に反映させることにより、無駄な配信を防ぐことができる。

 ※提供サービスの検討期間の長い・短いにより最適フリークエンシーが変わるケースが多い。

 運用型広告のオープン化により、運用できる幅は増えているが、リソースには限りがあるため、まずは上記のような影響力の高いポイントでの自社運用を見直し、効果の改善をはかっていくことをおすすめする。

 

 

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