“悲劇”に陥らないために知っておきたい!売上向上につながるアトリビューション分析の導入に向けた4つのSTEP

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

CV(Conversion/コンバージョン)につながった最終的な接点だけではなく、その過程におけるすべての接点の貢献度を図るアトリビューション分析。デジタルマーケティングに取り組む企業の多くが導入している分析手法です。

一方で、アトリビューション分析を導入したものの、様々な“悲劇”に直面してしまっている企業も…。

そこで、この記事では、アトリビューション分析を導入している企業における「悲劇事例」を紹介します。その上で、売上につながるアトリビューション分析を導入・運用するために押さえるべき4つのSTEPを解説します。
※2019年8月29日(木)開催のデジタルマーケターズサミットにおける弊社の講演と同内容のコラムとなります。

アトリビューション分析導入企業における3つの悲劇事例

まずは、過去に企業の多くが直面していた3つの悲劇事例をご紹介します。

悲劇事例1 〜ハイパーフリークエンシーマーケティング〜

リスティング広告とディスプレイ広告を出稿している場合、指名キーワードでのリスティング広告とリターゲティング目的でのディスプレイ広告が効果的という結果が導き出されるケースが珍しくありません。そのため多くの企業は、この2つの広告に予算を集中させる一方で、一般キーワードでのリスティング広告とオーディエンス目的のディスプレイ広告の予算は、削減する傾向があります。

しかし、自社の社名やサービス名といった指名キーワードで、検索・流入している人は常連顧客である可能性が高いと考えられます。そのような人は、広告を閲覧せずとも商品を購入してくれるでしょう。さらに、そういった人が離脱するのは、「ちょっと今は時間がないから、明日買おう」といった理由だと考えられます。そういった人に対して、リターゲティング広告でサイト再訪を促すというのは効果的な施策とは言えないのではないでしょうか?
このような形で、常連客と言うべき人との間で過度に接触を持とうとする広告運用を「ハイパーフリークエンシーマーケティング」と弊社では呼んでいます。

そして、ハイパーフリークエンシーマーケティングを続けてしまうと、将来的に売上が落ち込んでしまうおそれがあります。
20代女性向けファッションサイトを例に考えてみましょう。このファッションサイトでハイパーフリークエンシーマーケティングを10年続けたとすると、単純に考えれば、その間に会員(=常連客)の平均年齢が10歳上がることになります。そうすると、このファッションサイトのターゲットとは外れた会員ばかりになってしまうということです。このような状況では、広告の費用対効果が悪化することはもちろん、売上も落ち込んでしまいます。

悲劇事例2 〜無駄IMP勝ち残りマーケティング〜

リスティング広告やディスプレイ広告に加えて、アフィリエイト広告を出稿しているという企業も多いでしょう。そして、アフィリエイト広告の出稿中に、簡易的なアトリビューション分析を行うと、アフィリエイト広告の効果が著しく優れているという結果が導き出されることが珍しくありません。
一般に、簡易的なアトリビューション分析では、ビュースルーCVをアシストCVとして測定します。ビュースルーCVとは、表示された広告をクリックしなかったユーザが、その後、別の経路でCVに至った数を指します。しかし、このような数値をもとにアフィリエイト広告に予算を集中してしまうと、一向に売り上げが伸びないという状況に陥ってしまうおそれがあります。

アフィリエイト広告は成果報酬型の広告モデルであり、メディア側はページ内でとにかく多くの広告を表示させようとします。その結果、サイト訪問者の視認範囲外で大量にIMP(Impression/インプレッション)が発生します。そして、仮に視認範囲外で発生したIMPであっても、その後、CVに至った場合には、そのアフィリエイト広告が生み出したアシストCVとしてカウントされてしまうのです。
このような広告運用を「無駄IMP勝ち残りマーケティング」と、弊社では呼んでいます。

悲劇事例3 〜なんちゃってアトリビューション〜

Googleアナリティクスを用いてアトリビューション分析を実践している企業も多いでしょう。一方で、「Googleアナリティクスでアトリビューションの設定をしたから、後は任せておけば大丈夫」という考え方は“悲劇”につながる可能性があります。
次の章で詳しく解説しますが、商品・サービスのアトリビューション適正を把握したり、適切な分析モデルを選択したりといったステップを踏まずに、“なんとなく”アドリビューションを導入しても、PDCAサイクルを回して各広告の費用対効果を高めていくことはできません。
弊社ではこのような形でのアトリビューションの実践を「なんちゃってアトリビューション」と呼んでいます。

次の章では、このような“悲劇”に陥らないようにするために押さえるべき4つのSTEPを解説します。

アトリビューション分析の導入・運用4つのSTEP

この章では、特にGoogleアナリティクスを用いてアトリビューション分析を導入するケースで解説をしていきます。

STEP 1 自社商品・サービスのアトリビューション適性の把握

最初に、自社商品・サービスのアトリビューション適正を把握しましょう。
低価格帯の商品や期間限定のキャンペーン商品は、比較・検討する期間が短いため、アトリビューション分析を導入する必要性は低いと言えます。

 

一方で、保険のように内容が複雑な商品や、不動産のような高額の商品は、比較検討する期間が長いため、アトリビューション分析を導入する必要性が高いと言えます。

STEP 2 導入判断のための計測環境

STEP 1でアトリビューション分析を導入する必要性が高いとわかったら、実際に分析をしながら、本格的にアトリビューション分析を導入すべきかを判断しましょう。そのために、「パスデータ(CVに至るまでの広告接触履歴)」の計測環境を整備する必要があります。

パスデータを計測するためには、Googleアナリティクスなどの計測ツールのパラメータを正しく設定する必要があります。その際、「カテゴリ」と「配信手法」で分けて設定しましょう。

このように計測環境を整備することで、どのメディアの、どの配信手法が効果的なのかを判断することができるようになります。

STEP 3 パスデータの確認

実際にパスデータを確認して、アトリビューション分析を導入するメリットがあるのかどうか?を判断しましょう。
ポイントになるのは、ユーザが商品・サービスの購入に至るまでに要した訪問回数です。
例えば、ユーザのほとんどが初回訪問で商品・サービスを購入している場合には、STEP 1でも言及したように、比較・検討する期間が短いため、アトリビューション分析を導入するメリットはあまりないでしょう。
一方で、購入までに複数回の訪問など接触を要する場合には、比較・検討する期間が長いということですから、アトリビューション分析を導入するメリットがあります。

STEP 4 アトリビューションモデルの決定

実際にアトリビューション分析を導入する場合には、分析を行うアトリビューションモデルを決めましょう。

終点 〜費用対効果の最適化に効果を発揮〜

CV直前の訪問の接点(ラストクリック)を100%評価するモデルです。
成果に直接結びついた接点を把握できるため、費用対効果を最適化したい場合に効果的です。一方で、途中の接点の貢献度をまったく評価しないため、潜在的な顧客に対する認知・啓蒙系の広告評価には向いていません。

起点 〜新商品の認知を最大化できる〜

CVにつながった最初の接点(ファーストクリック)を100%評価するモデルです。
特に、新商品・サービスのリリース直後における認知・啓蒙系の広告評価に向いています。一方で、ラストクリックを評価しないため、実際の費用対効果との乖離が生まれるというデメリットがあります。

起点・終点 〜始点と終点のメリットを両立〜

ファーストクリックとラストクリックの両方を評価するモデルです。
「起点」と「終点」を組み合わせたモデルなので、成果に対する入口と出口の双方を評価することが可能で、認知の拡大と費用対効果の最大化を両立させたいという場合に有効です。最も汎用性が高いため、弊社においても特に導入する頻度が多いモデルです。

線形 〜貢献度の高いメディアを把握できる〜

すべての接点を均等に評価するモデルです。
多数の接点が存在する場合に、どの接点が効果的なのかを把握する際に役立ちます。一方で、上記のほかのモデルのような評価となる「重み付け」が存在しないため、各メディアにどのような役割を与えるべきか?判断できないというデメリットがあります。

まとめ

この記事では、3つの「悲劇事例」を踏まえつつ、売上につながるアトリビューション分析を導入するために押さえるべき4つのSTEPを解説しました。
「実際にアトリビューション分析を導入してみたい」「すでに導入しているけれど、今ひとつ効果が出ていない」という企業の方は、この記事を参考に試してみてはいかがでしょうか。