広がりつつある人工知能、Eコマースへの活用方法とサービスの選び方

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E-commerce_a_中村さん

人工知能・AIといったワードがここ数年流行していますが、Eコマースやマーケティングに関わる方は、頻繁にEコマース関連の人工知能・AI新サービスのリリースを耳にすることが増えたかと思います。

この記事では最近広がりつつある人工知能が現時点でどのようにEコマースに活用できるのか、

今後どのような可能性があるのか、広がりつつある人工知能を利用したサービスに対し

Eコマース事業者はどのように対応すべきか?についてお話いたします。

■現状のEコマースにおける人工知能の活用方法は主に3種類

現状では、ECサイトの接客領域やコンテンツマネジメント領域における人工知能を利用したサービスは、いくつかリリースされていますが、大きくわけるとWeb接客ツール系、レコメンドエンジン系、分析系の3種類があります。また、それぞれの機能が混在しているサービスもあり、徐々に導入が進んでいます。

しかし一方で、Eコマースにおける人工知能・AIツール活用にはいくつか課題もあります。

まずは、人工知能とは何か?どう活用されているのか?Eコマースに活用するにはどんな課題があるか?を解説します。

■広まりつつある人工知能を利用したサービスに対し、Eコマース事業者はどう対応すべき?

結論からいいますと、長期的に見るとEコマースへの人工知能の活用は今後、更に広がっていくと考えられます。

将来的に人工知能が今より発達した際に、処理できるデータ量・スピード・判断力において人間が行うよりもより多くのデータを素早く正しく判断を下し、最適化を進めることができるため、人工知能を活用できているサイトと、そうでないサイトで、ユーザーが求めている情報を表示するという部分で優位性に大きな差が出てしまうためです。

しかしながら、現状リリースされているサービスでできる事は、顧客属性や行動履歴にあわせて、レコメンドやオファー表示、アップセルやクロスセルを出すといった、部分的な施策に留まっている状況で、人が行うよりも結果に圧倒的な差が出るというものではないため、自身のサイト規模や予算、課題感、人員などを踏まえた上で、想定される費用対効果によって必要に応じて導入するのが得策であるといえます。

■そもそも人工知能とは?

人工知能とは Artificial Intelligence、略してAIと言われコンピュータを使って、学習・推論・判断など人間の知能のはたらきを人工的に実現したものです。

「推論」とは、知識をもとに新しい結論を得る思考力を指し、「学習」とは、過去のデータから将来使えそうな知識を見つけることを指します。

最近では、グーグルの人工知能が囲碁の欧州チャンピオンに5連勝したニュースや、古くは、IBMが開発したチェス専用のスーパーコンピュータ「ディープ・ブルー」などが有名かと思います。

図1

■Eコマース領域よりも進んでいる金融領域での人工知能の活用

現在、金融領域では、テキストマイニングや音声認識とその意味の分析であったり、データマイニングによるマーケット分析、投資戦略の構築、システム構築への活用など、複数の分野で人工知能の活用が進められており、Eコマースより進んだ取り組みが行われています。

そのため、金融領域での人工知能の取り組みを知ることは、今後、人工知能がEコマース領域でどのように活用されるようになるか?のヒントになります。

現状のEコマース領域での人工知能の活用には、学習データの準備、分析軸や分析ロジックの検討、そして、分析した結果の判断などで必ず人間の介在が必要になることがほとんどです。

機械学習を活用したレコメンドやWeb接客ツールなど、限定的な分野での活用が多い状況ですが、金融領域での活用を見る限り、この部分は将来的にはEコマースでも人間が介在せずに可能になるものと思われます。

つまり、どのデータをどう見て、どの数値だった場合にどんな行動をとるか?予め決められた施策を打つのではなく、データの分析から仮説立案、実行から改善まで、一連のPDCAを自律的に回すようになると予想されます。

 

  • 機械学習とは

ルールを自動的に獲得させることを目的としているのが機械学習です。

すべてを人間が手作業でプログラミングするのは大変なので、機械が自動的に学習できるようにしています。

では、具体的にどうやっているかというと、例えば、ECサイトに訪問する顧客がどれだけ購入する気があるか?を判定する場合、「来訪頻度が5回だからプラス2点、直近3ヵ月以内に購入しているからプラス3点…」というようにあらかじめ決めたルールにしたがって顧客ごとにスコアリングし、点数が何点以上だったらロイヤル顧客にする。
何点なら一見顧客、何点なら休眠顧客というように、自動的に顧客ランクを判定して、顧客ランクごとに最適なコンテンツを見せるというようなことができます。

それぞれの履歴に何点をつけるか?というルール決めが、判断の精度をわけるキーポイントになってきます。

図2

■現状のEコマース領域における人工知能を活用したサービス

最初にお話したように、人工知能を活用したEコマース向けのツールは、大きくわけるとWeb接客ツール系、レコメンドエンジン系、分析系の3種類があります。
具体的なツールをいくつかご紹介します。

・購買行動解析・販促サービス「ZenClerk」(Emotion Intelligence株式会社)

・ファッション人工知能「SENSY」(カラフル・ボード株式会社)

・人工知能運用型Web接客「SPIKEオートメーション」(株式会社メタップス)

・Flipdesk(株式会社 Socket)

・人工知能分析サービス「AIアナリスト」(株式会社WACUL)

・レコメンドエンジン「ZERO ZONE RECOMMEND」(株式会社ゼロスタート)

最近メディックスで導入事例の多いツールは「ZenClerk」と「AIアナリスト」なので、それぞれの概要を紹介させて頂きます。

  • ZenClerk

販促に最適なタイミング(購入を迷っている瞬間)を自動検知し、販促を行うツールです。

「商品画像を何度も切り替える」

「商品レビューを読み込む」

「価格のところでマウスが行ったり来たりする」
など、お客様が無意識に行っているページ上の行動から、感情を解析する人工知能がリアルタイムに

「お客様の気持ち」を推測し、ポップアップでクーポンを表示するなどの販促を行います。

担当者が詳細なシナリオ設計をする必要がなく、導入の手間がかからないというのが大きな特長です。

 

  • AIアナリスト

Google Analyticsのアクセス解析データを自動で分析し、わかりやすい言葉で改善策を提示するサービスです。

Webサイトのデータを分析するだけのサービスは多いですが、それだけでなく、具体的な改善方法まで提示してくれるので、迷わずアクションにつなげることがでることが大きな特長です。

■人工知能を活用したツールはどのように選ぶべきか?

  • サイト規模(料金体系)で選ぶ

 サイト規模によっては導入費用や最低月額をペイすることが困難な場合があります。

 特に、過去の購買データや顧客データの連携に初期費用がかかるサービスもありますので、現状や今後のサイト規模をふまえて選ぶことが必要になります。

  • 新規/リピートの比率で選ぶ

 サービスによっては、既存顧客のリピート施策が中心のものと、新規顧客のCVRアップが中心のものとに分かれるので、現状のサイト訪問者の割合やボトルネックを踏まえた上で、サービス選定をする必要があります。

  • システム連携の可否で選ぶ

 現状利用しているカートシステムによってはシステムの連携が困難なケースもありますので、システム連携に対応しているか否かも検討要素として必要となります。

■まとめ

現状では、人工知能を活用できる領域は限られている上に、人手によって分析、仮説立て、アクションを行うのに比べて、圧倒的な差をもたらすというよりも、効率化をもたらすという役割が大きいようです。

効率化により空いた時間で、人にしかできない領域(戦略立案やコンセプト立案など)で価値を作り出した上で、限られた領域での最適化に人工知能を活用するという使い方になります。

とはいえ、将来的には高い確率でEコマースのマーケティングに必須となることは、金融領域での人工知能の活用を見る限りは高い確率で予想ができる状況です。

Eコマース事業者はどうするべきでしょうか?

どんなにテクノロジーが発達しても、できるのは商品と顧客のマッチング精度をどれだけ高められるか?

ということに尽きるので、マッチング精度が極限まで最適化された状態では、商品そのものの魅力を高める努力や

その魅せ方、想いやコンセプト立案といった人にしかできない部分が、より重要となってくるといえるでしょう。

テクノロジーは道具でしかないということ、見るべきは数字ではなくお客様の心ということを忘れずに、

より多くのお客様に支持される商品開発や魅せ方、お客様との関わり方を考えていくべきと思います。

 

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