ランディングページ(LP)の効果改善につながるABテスト方法とは?

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「インターネット広告の勝ちパターンってあるの?」「どういうクリエイティブが良いのか?」

インターネットを使って集客や収益をあげている企業の担当者の方は、みなさん思っていることだと思います。

自社のWEBサイト、ランディングページ(LP)、バナー広告・・・せっかく気合を入れて作ったのに、なかなか人が集まらない、思ったように費用対効果が上がらないといった声はよく聞きます。

現状の課題を改善するために手法は様々ありますが、今回は「ABテスト」というテーマで、特にランディングページ(LP)でうまく運用する方法や考え方など、すぐにでも始められる内容をご紹介します。

ランディングページ(LP)のABテストを実施する前に、まずは必要なこと

  • 得られる結果の数値が多いところで実施する

ABテストで十分な結果を得るには、少ない流入母数の個所で実施しても、本当の効果が得られているのか?わかりません。

よくあるのが、実際にABテストを実施して、テストAのパターンで資料請求が2件、テストBのパターンで1件、といったケースです。

勝った負けたで言えばAが勝った、ということになりますが、果たして本当にそうでしょうか?

少ない流入数の箇所だと、申込みの件数自体が少なく、そうなると1件多いか少ないかの差となり、どちらのテストの効果が良かったのか正しい判断をすることができません。

そうならないためにも、正しい結果を得るには「流入母数の多い箇所」でABテストを実施することです。

WEBサイトで言えば、トップページや主要製品のページなど、ランディングページ(LP)では一番流入数の多いページで実施する。

そうすることで、結果としてある程度の数値を得ることができれば、どちらのケースが良かったと判断して良いと言えるでしょう。

  • しっかりとテストの設計を立てる

あるランディングページ(LP)があったとします。色味が赤基調のA4サイズ3枚程度でテキスト主体の情報が詰まったページ。

これにテストとして用意したものは、色味が青基調でA4サイズ5枚程度のほとんどが図解のページ。

これでは何を比較したいのか、どういう結果を求めているのかわかりませんね。

重要なのはテストを実施していくための設計です。

陥りがちなのが、テストを実施するものに対し「全く異なったもの」を比較してしまい、結局何が良かったのかわからなかった…

こうならないためにも、どういった目的で、どういった比較をして効果を知りたいのか。

目的と実施プランを立てて実施することが肝要です。

 →いつからいつまで実施するのか?効果を得られやすい期間を設定する。
 →テストしたい内容を決め、仮説を立てて実施する。
 →テストを並行で実施することは極力避ける。計画的に1つひとつ実施することが望ましい。

 

実際にどのようにランディングページ(LP)のABテストを運用すべきか

ここではABテストを実施・運用した、ランディングページ(LP)の具体例を紹介します。

  • テストするポイントを決める(例:ランディングページ(LP)のメイン画像を対象にした場合)

図1
図1

 

 A:訴求のテスト
   主にキャッチコピーのテスト。例えば「対象ユーザ」を絞った表現にする。もう一方は「効果」を謳った表現にしてテストする。

 B:ビジュアルのテスト
   主に背景に使う画像のテスト。写真の方が良いのか?イラストの方が良いのか?人が良いのか物が良いのか?など。

 C:ボタンのテスト
   コンバージョンといわれる申し込みにつながるボタン。赤が良いのか?緑が良いのか?申し込みというか詳細はこちらというか?など。

 

ここではランディングページ(LP)のメイン画像の中で、ABテストを実施する箇所を3つ挙げています。
ABテストを実施する箇所を決め、テストする内容を決め、それぞれ実施する期間を決めて正しくABテストを行うことで、

どちらの効果が良かったのか、どういった内容が良かったのかを正しく見極めることができます。

 

  • ABテスト実施の設計書を作る。

次に、実際にランディングページ(LP)でABテスト実施した際に作成した設計書をご紹介します。

 

図2
図2

対象ページはどこか?PCなのかスマホページなのか?成果のポイントは?いつからいつまで実施するのか?、などなど実施事項を細かくとりまとめておきます。

こうすることで誰が見ても、どのタイミングで何が行われるのかを可視化でき、検証する際も振り返りがしやすくなります。

必ず押さえておきたいポイントは

 ・テスト対象(URL、箇所、デバイスなど)

 ・テスト方法(ABテスト、初回/再訪問、属性別出し分けなど)

 ・期間(実施期間、検証期間、改修期間など)

 ・KPI(成果ポイント、成果の考え方、目標数値、過去の結果など)

 

最低限これらの項目を決め設計書を作っておけば、ぶれなく確実なABテストが実施できるでしょう。

 

ランディングページ(LP)でABテストを実施して改善された事例

ランディングページ(LP)での成果は資料請求。

ランディングページ(LP)を実施した当初は想定の資料請求数を獲得できていましたが、時間の経過とともに請求数が伸びなくなり、ランディングページ(LP)を改修する前に、どういったアプローチが効果が高いのか調査するためにABテストを実施したケースとなります。

図3
図3

先に現状のアプローチを整理します。それを基に想定されるアプローチを仮説立てします。

そしていつ実施し検証するのかを決め、クリエイティブのパターンを作成します。

この場合ファーストキャッチ(ページの最上部、導入部分)で4つのアプローチを用意し、それぞれタイミングを決めてABテストをしました。

図4
図4

このABテストを実施した結果、4つのクリエイティブの中から1つ、最も効果の高いものがわかりました。
ランディングページ(LP)の改修はこの結果を踏まえた形で行われ、テストをする前のランディングページ(LP)に比べ、改修後は40%効率化することができました。

今後は、これを「訪問回数に応じ」や「本体サイトを経由した、しない」などの様々なトライをしていくことになりました。

 

ABテスト運用はツールの選択も重要なポイント

  • 利用用途、目的に応じて無理のないツールを選んだ方がよい

ABテストの設計ができれば、さあいよいよ実践となるわけですが、ABテストを「どう運用・管理するか」ということを考えねばなりません。

方法は「手動で管理する」と「ツールで管理する」があります。

量や回数が少なければ手動で管理するという方法でも運用はできますが、ツールを使うと大きく下記2つの利点が挙げられます。

①効果計測ができる

広告または自然流入のどちらから流入し、どのクリエイティブを見てコンバージョンしたかが計測できる。

②テストのシナリオが登録できる

ABテストの実施内容をツールに登録することで、実行タスクとスケジュールを管理できる。

 

グロースハッカーを利用してクリエイティブパターンを大量に、第3者で作成するようなサービスも最近は出てきていますが、

規模感が合わないツールを選ぶと、運用コストがやたらかかったり、テストシナリオばかり増えすぎて元の目的がわからなくなったり、

ツールのスペックが運用に合わなく、ツールを運用するためにABテストを実施している、という本来の形にならないことがあります。
ですので、設計に応じて目的に合った、無理のないツールを選ぶと良いでしょう。

 ・やりたいこと、やれることを明確にし、それにあった機能のものを選ぶ

 ・テストシナリオが登録でき、簡単に管理できるものを選ぶ

 ・ツールは実施内容にあったコストのものを選ぶ

 

まとめ

ここまで色々と説明してきましたが、まとめると下記のポイントになります。

 

  • 設計書をしっかりと作りましょう。

   実施期間、ABテストのパターン、成果指標が漏れなく記載されているもの。

  • 実施は母数の多い箇所で行いましょう。

   ABテストは流入する数が小さいと正しい結果が得られない。

  • 背丈にあったツールを選びましょう。

   やれることが多ければ良いというものでもない。ツールの機能がオーバースペックにならないように。

肝に銘じておきたいのが、

「より良い結果を導くためにABテストを実施するのであって、テストをするためにABテストをするわけではない」

ということです。

PDCAサイクルという言葉がありますが、ABテストを実施し導き出された結果によって、さらにそれをブラッシュアップしていく、

という流れを作り、常に高い効果を生むために、ABテストという手法が活きるように正しく運用していきましょう。

 

 

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